スターになり損ねたクルマ、予想外に売れたクルマ 20選 「期待外れ」と「嬉しい誤算」

公開 : 2025.05.10 18:25

予想を超えて大ヒットするクルマもあれば、期待外れの失敗に終わってしまうクルマもあります。走行性能、デザイン、価格設定など、その要因はさまざまですが、どれも一概に「悪いクルマ」と言えないのが面白いところです。

良くも悪くも「予想」を外れたクルマたち

デザイナーが誇らしげに布カバーを外した瞬間、そのクルマは、大ヒットを約束されたかのように見える。そして多くの場合、その通りになる。しかし、時には、間違いなくヒットすると思われたクルマが、まったく成功しないこともある。

その外観から期待されるような走りを実現できないこともある。価格設定が間違っていることもある。宣伝が不十分なこともある。通常、これらの要因は複合的に重なっている。

期待通りに売れなかったクルマ15台と、予想以上に売れたクルマ5台を紹介する。
期待通りに売れなかったクルマ15台と、予想以上に売れたクルマ5台を紹介する。

今回は、スターになりえなかった15台のクルマ、そして予想外にヒットした5台のクルマを紹介しよう。

アルファ・ロメオ4C(2013-2020)

何もかもが完璧に揃っている場合もある。このクルマのためだけに特別に設計されたカーボンファイバー製モノコック。ミドシップに搭載された、高回転まで滑らかに回るターボエンジン。素晴らしいスタイリング。アルファ・ロメオのエンブレム。そして純粋なドライビングプレジャーを実現するという使命。

では、何が良くなかったのか? 主にジオメトリだ。4Cのサスペンションは時折驚くほど敏感で、まるで鶏が飛ぼうとするような不安定さがあった。また、耳が痛くなるほど騒音も大きかった。アルファ・ロメオはハンドリングが悪いと売れないもので、4Cも例外ではなかった。材料は正しかったが、レシピが間違っていた。

アルファ・ロメオ4C(2013-2020)
アルファ・ロメオ4C(2013-2020)

DSオートモビルDS 5(2011-2018)

DSは、2009年にフランスのシトロエンが立ち上げた、比較的新しいプレミアム・サブブランド(後に独立)だ。DS 5は、美しいが問題多きクルマであり、販売は低迷した。当初シトロエンから登場し、BMWのオーナーたちを魅了するクルマのように見えた。

シューティングブレーク、クーペ、ハッチバックを融合させたスタイリング、高級感あるインテリア、そして非常に硬いスポーツサスペンションが特徴だった。このサスペンションが、このクルマの最大の問題点だったのかもしれない。

DSオートモビルDS 5(2011-2018)
DSオートモビルDS 5(2011-2018)

ジャガーXJR575(2017-2018)

人目に触れることなく、わずかな時間だけ存在していたクルマだ。その車名からもわかるように、このクルマは過激なほどの高出力(575ps)を誇り、0-100km/h加速に約4秒、最高速度300km/hまで44秒で到達する。

そのパワーに耐えうるシャシーと、XJらしい堂々とした風格も備えている。また、XJシリーズとして最後に開発されたガソリンエンジン搭載モデルでもある。環境規制の強化と、ほとんどの市場でディーゼルが主体とされたことが原因で人気は下がってしまったが、もっと評価されるに値する1台だ。

ジャガーXJR575(2017-2018)
ジャガーXJR575(2017-2018)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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