わずか5分で160km走れる「超高速充電」採用 ポールスター新型『5』秋に正式発表へ
公開 : 2025.05.22 07:45
スウェーデンのポールスターは9月、ミュンヘン・モーターショーで新型EVセダン『ポールスター5』の量産バージョンを発表予定です。革新的な充電技術と高出力モーターを導入し、ポルシェ・タイカンに真っ向から挑みます。
革新的な電動スポーツセダン
スウェーデンを本拠とするポールスターは、9月のミュンヘン・モーターショーで新型EVセダン『ポールスター5』の量産バージョンを発表する予定だ。
2020年公開の大胆なコンセプトカー『プリセプト』をほぼ忠実に踏襲したポールスター5は、「スーパーカーレベル」の高剛性、800Vの「超急速充電」対応電気アーキテクチャー、最大900ps近くのパワーを誇る、ポルシェ・タイカンのライバル車だ。

ポールスターは、2023年に一部の主要スペックと、量産型に近いプロトタイプを公開しているが、今秋に仕様詳細とインテリアを正式発表する。
「会社としてのアイデンティティを定義するプロジェクト」と表現されているように、ポールスターのために特別に設計された、新しいアルミニウム製のスケーラブルプラットフォームを採用する。このプラットフォームは、2026年に発売予定のオープントップモデル『ポールスター6』にも採用される予定だ。
発表によると、5は新しい急速充電技術により、バッテリー寿命を低下させることなく、わずか5分で160km分の電力を追加できるという。
CEOのマイケル・ローシェラー氏はAUTOCARの取材に対して、800Vアーキテクチャーの導入が5における最大の特徴であるとし、「充電時間は18分から19分まで短縮されます。これは本当に素晴らしいことです。充電を待つ間に、コーヒーを急いで飲む必要があるでしょう」と語っている。
この技術は「超高速充電(XFC)」と呼ばれ、ポールスターと、同社が出資しているバッテリー開発企業ストアドット(StoreDot)社の共同開発によるものだ。
ストアドットは、XFCにより5分でフル充電できる携帯電話を開発した実績がある。ポールスターによると、XFCは既存のバッテリー技術に組み合わせることができ、「バッテリーパックの設計の革新」は必要ないそうだ。
ポールスターとストアドットは昨年、実物大の5台のプロトタイプを用いて実証試験を行っている。
ストアドットのCEO、ドロン・マイヤーズドルフ氏は以前、AUTOCARに対して、「これは従来のリチウムイオンバッテリーをベースに、急速充電に対応させた画期的な技術です」と語っている。
ストアドットはシリコンアノードを使用したリチウムイオンパウチセルを製造しているが、ハードケース型のプリズムセルへの適用も検討中だ。