【木製シャシーにBMW V8】モーガン・エアロ8 英国版中古車ガイド モデルライフ18年

公開 : 2021.06.13 08:25  更新 : 2021.07.12 18:45

シリーズを通して進化や改良は限定的

モーガンエアロ8の最後形として、シリーズ5が登場。2016年から2018年にかけて生産されている。有終の美を飾るべくエアロGTも投入されたが、生産台数は非常に限定的なものだった。

18年間のモデルライフを通じて作られ続けたエアロ8だが、進化や改良の範囲は限定的。どのシリーズを選択するべきかは、予算に応じて決める程度で構わないだろう。

モーガン・エアロGT(2016〜2018年/英国仕様)
モーガン・エアロGT(2016〜2018年/英国仕様)

初期のエアロ8の場合、英国のスターティングプライスは4万ポンド(616万円)くらいから。走行距離の短いシリーズ5や特別仕様車の場合、12万ポンド(1848万円)位の価格が英国では付いている。

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メルビン・ラッター:メルビン・ラッター社代表

「市場規模は小さく、流通台数も多いとはいえません。モーガンが好きで乗っていて、運転して楽しんでいるケースが多いためでしょう」

モーガン・エアロ8 シリーズ1(2000〜2004年/英国仕様)
モーガン・エアロ8 シリーズ1(2000〜2004年/英国仕様)

「モーガンが難しい時代のモデルで、大きな利益を出せたとはいえませんでした。エアロ8を購入したドライバーの多くは、モーガンにこだわって登場を待った、強い意志を持つ人に限られたといえます」

「モーガン3ホイラーなどは、新しいユーザー層を広げることにつながっています。近年では、モーガン仲間も増える傾向にありますね」

不具合を起こしやすいポイント

エンジン

オプションのサイドエグゾーストは非常に貴重。2004年以前のモデルに限られ、迫力のあるノイズを楽しませてくれる。BMW由来のV8エンジンは個性があり堅牢。整備スケジュールは守り、純正部品を用いたい。

トランスミッション

BMWより防音性が低く、MTからのノイズは大きい。クイックシフターを取り付けることで、よりスムーズな変速が可能になる。

ボディとシャシー

モーガン・エアロGT(2016〜2018年/英国仕様)
モーガン・エアロGT(2016〜2018年/英国仕様)

シリーズ1と2は、ルーフまわりから雨漏りしがち。ガレージ保管が望ましい。シャシーは木質構造で、クラッシュ時の修理やメンテナンスは難しく、職人の技術が必要。モーガンのディーラーに任せた方が賢明だろう。

ボディパネルはシリーズによって異なる。特にトランクリッドは変化が大きく、交換時は気をつけたい。フロントスプリッターは位置が低く、飛び石キズをもらいやすい。

電気系統

フェンダー内のウインカー用コードなど、露出した配線が切れることがある。目視で確認したい。ニュービートル用のヘッドライトは、内部に水が侵入し曇ることがある。パワーステアリング・ポンプが弱点。交換部品は簡単に見つかる。

シリーズ1は、しばらく乗らないとスターターモーターが固着することがある。専用バッテリーの状態を保つため、専門ショップではコンディショナーを接続することが多い。

インテリア

後期型の方が車内はモダンだが、メンテナンスを怠ると摩耗や劣化は進む。モトリタ社製のステアリングホイールや、アルミニウム製のボスは人気の改造アイテム。アップデートされたステレオも、うれしい装備となるだろう。

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