【アミとの幸せな暮らし】シトロエン・アミとの数週間 8psの電動マイクロカー 後編

公開 : 2021.06.13 09:45

オシャレなシトロエンのマイクロカー、アミとの暮らしを英国編集部が体験。身長190cmの担当者は、8psの純EVと幸せに暮らせるのでしょうか。

アミだけの開放感と賢明な構造

text:Jim Holder(ジム・ホルダー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
電動マイクロカー、シトロエン・アミの最高速度は45km/hだが、ロンドンのラッシュアワーの平均速度は19km/h程度。通勤時間なら、市街地でも困らないスピードを出せる。

2シーターながらバッテリーがフロア下に敷かれ、車内空間は思いのほか広い。スーパーで買い物した食料品も、問題なく載せられる。

シトロエン・アミ(欧州仕様)
シトロエン・アミ(欧州仕様)

着座位置は高く、周囲は窓に包まれる。横の窓は、2CVから影響を受けたであろう、水平ヒンジで跳ね上がる。閉所恐怖症の人は慣れないかもしれないが、少なくとも視界はかなりイイ。小さな車体のおかげで驚くほど小回りが効き、機敏に混雑した道を縫って走れる。

大きなSUVなら、よりパワフルで安全。ドライバーは自宅のようにくつろげるかもしれない。でも小さなアミを運転して得られる開放感は、筆者が今まで乗ったどんなクルマでも味わえなかったものだ。目立つだけの個性派とは、明らかに違う。

クルマとしての賢さは間違いないだろう。加速力や車内空間、デザイン、電動という構造。コーナーを曲がらずとも感じ取れる。防音材や優れたサスペンションはないから、すべての場面で、というわけではないが。

スタイリングは好き嫌いがはっきりしそうだが、称賛に値する。ドアパネルは左右で共通。プラスティック然としたパネルでも、安っぽいという我慢はない。デザイナーのテレンス・コンランも、褒め称えるかもしれない。

悪びることなく従来の型を破っている

見た目は漫画チックながら、価格は充分に手頃。ハロッズの買い物客が興味を示したように、見事なプロダクトだといえる。

それでも、今の筆者は毎日運転したいとは思えない。でも32km/h制限のロンドン中心部に住んでいれば、乗りたいと思うだろう。ただしアミの数が増えれば良いのだが、最近は混雑が緩和され、大型SUVのドライバーに押しつぶされる可能性もなくはない。

シトロエン・アミと初代のシトロエン・アミ(1961〜1978年/英国仕様)
シトロエン・アミと初代のシトロエン・アミ(1961〜1978年/英国仕様)

条件次第では、筆者の生活にフィットするクルマになる。アミの能力は、わたしのニーズにも合致しそうだ。しかも、すこぶる安い。

シトロエン・アミはすべての人に勧められるクルマとはいえない。むしろ、乗る人を選ぶ。少なくとも筆者の娘は、恥ずかしいといって乗りたがらない。

理解できる人なら、開放的な運転を楽しめる。かわいらしく実用性もあり、悪びることなく従来の型を破っている。英国で正式に販売が開始されれば、筆者の考えが正解かどうかがわかるはず。

シトロエンやオーナーにとっては、目につくクルマとして走るメッセンジャー的な意味も持つと思う。シトロエンは、お金のかかるようなマーケティングを走ってもらうだけで展開できる。オーナーは、ライフスタイルに対する意識を表現できる。

目標へ向かうルートは1つではない。多くの人の好むルートが、特定の人にとってベストなルートとは限らない。シトロエンは、昔からそんなメーカーだった。アミは、それを思い出させてくれる。

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