【S660と運命をともに?】コスパ良くない軽スポーツ コペン/アルトワークス今後どうなる?

公開 : 2021.06.18 17:10  更新 : 2021.10.22 10:07

コンパクトスポーツはクルマづくりのために必要

しかも最近は、MTを選べる車種が大幅に減った。

AT車の限定免許が普及して、乗用車のMT比率が2%以下に減った影響だが、AT限定免許の取得者はさほど多くない。

ホンダNワンRS(無限仕様)
ホンダNワンRS(無限仕様)

現時点で第一種普通運転免許を新たに取得した人のうち、AT限定の比率は69%だ。残りの31%はMTを運転できる。

それなのにMTを選べる乗用車が激減したから、スイフトスポーツやNワンでは、MTの販売比率が約60%に達した。

アルトワークスは80%前後だ。これらの軽自動車やコンパクトカーのスポーツモデルは、手頃な価格でMTを選べる貴重なクルマとして注目され、人気車になっている。

したがってクルマ好きのユーザーを満足させるには、ボディがコンパクトで価格も割安で、なおかつ適度な実用性と運転の楽しさをあわせ持つスポーツモデルが必要だ。

軽自動車やコンパクトカーの大量に売られるボディ、プラットフォーム、エンジンなどを活用して、いかに楽しいクルマを開発できるかが問われている。

ベース車の素性も大切だ。ベース車のつくりが良くないと、そこにパワーアップされたエンジンや足まわりを組み合わせても、上質なスポーツモデルは生まれない。

つまりコンパクトなスポーツモデルの開発は、日本車のクルマづくりを根底から引き上げる役割も果たすのだ。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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