【尖っていくブランド】ダッジ電動化戦略発表会で「EV売らない」 マッスルカ―本家はどこ向かう?

公開 : 2021.07.12 05:45  更新 : 2021.07.12 10:56

「尖ったブランド」の強調ねらい?

今回のダッジ電動化の発表は、ステランティスが日本時間2021年7月8日21時からオンラインで開催した「ステランティス EV DAY 2021」の中で、1つのセクションとしておこなわれたものだ。

日本のユーザーにはまだ馴染みが薄いステランティスとは、FCA(フィアットクライスラー・オートモービルズ)がプジョーシトロエンのグループPSAを買収するかたちで2021年1月に誕生した、販売台数で世界第4位の自動車連合である。

ダッジ・チャレンジャー
ダッジ・チャレンジャー    ダッジ

ステランティスには、フィアット、プジョー、シトロエンのほか、ダッジを含む合計14ものブランドが含まれる。

これまでも、FCAの枠組みの中で、ダッジはラムと同じくクライスラーから分離したブランドという位置付けだったが、今回ステランティスの一員となったことで、FCA時代にも増して「尖ったブランド」であることが重要視されることになったといえるだろう。

だからこそ、冒頭に紹介したように「電気自動車を売らない」とまずは言い切ってしまうような大胆なメッセージを出し方になったのだと思う。

では、eマッスルは今後、どのようなステップを踏んで実現されるだろうか?

まさか、ダッジの真骨頂であるチャレンジャーやチャージャーがいきなりEV化してしまうのだろうか?

マッスルカーの本家 電動化でどこへ向かう?

今回ステランティスの会見で明らかになった、ダッジ関連の将来構想は大きく2つある。

1つは、2024年にピュアEV(完全なEV)のeマッスル量産車が登場することだ。

ダッジ・チャレンジャー
ダッジ・チャレンジャー

その母体となるのは、4種類あるEVプラットフォームのうちの1つとなる。

ステランティスのEVプラットフォームは、STLAスモール(満充電の航続距離500km)、STLAミディアム(700km)、STLAラージ(800km)、そしてピックアップトラックなどラダーフレームに対応するSTLAフレーム(800km)に分類されている。

ダッジのeマッスルは、このうちSTLAラージを採用する可能性が高いと考えられる。

もう1つは、「HEMIを拡張をさらに進める」という点だ。内燃機関によるハイパフォーマンス性をさらに追求する姿勢を示した。

そのうえで、2030年時点でアメリカ向け新車販売の40%を電動化するとしており、残りの60%にHEMIを継承するマッスルカーが含まれることになる。

いずれにしても、HEMI系マッスルカーもある時点でeマッスル化することになる。

それは2035年なのか、2040年なのか、それともそれよりまだ先なのか?

グローバルで加速する、実質的なCO2排出量をゼロとするカーボンニュートラル実現にむけて、マッスルカーの本家、ダッジはいま変革に向けた第1歩を歩み出したといえる。

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