【上質に感じる秘密】ジープ・コンパス改良型 デザイナーが語る、内装のエッセンス 新旧比較

公開 : 2021.07.13 17:25

上質に感じさせる、3つのポイント

「これまでのジープのインテリアは、筋肉質な丸みを帯びたデザインで、その中にメーターやスイッチ類が島のように纏められたものだった。しかし、新しいコンパスのインテリアは、水平でシームレスな流れを重視し、スイッチや表示もクリーンかつモダンに表現することができた」とベンジャミン氏は語る。

この拘りにはシンプルさを重視した点もあるという。もちろん、ジープのデザイン言語はしっかりと受け継ぎ、快適性を与える要素はソフトに、機能性・操作性を提供する要素は、クリーンかつモダンな要素としているそうだ。

改良新型コンパスのインテリア(北米仕様)
改良新型コンパスのインテリア(北米仕様)    FCAジャパン

それでは上質に感じるインテリアの秘密は、何処にあるのか。

ベンジャミン氏によれば、新型では「クラフトマンシップ」「機能性と快適性」「プレミアムテクノロジー」の3点を重視したことに答えがあるという。

ダッシュボードの素材・装飾、そして内装各部の手触りの拘りは、まさにクラフトマンシップの賜物といえよう。

ベンジャミン氏のトークの中で、ユニークな話題だったのが、センターコンソールのデザインだ。新型コンパスは、センターコンソールが大型化されている。

これはユーザーからの収納拡大の声に応えたものでもあるが、同時に高級感を演出するためでもあるという。

センターコンソールを高めにデザインすることで、ダッシュボードとのシームレスな流れが生まれ、そこに一体感を与える。それが隙のない完璧さに映るのだろう。

逆にセンターコンソールを低くすると、チープさに繋がるという。

感じ取る、ジープ・ブランドの将来像

確かに、かつてのジープのように前席中央でシフトレバーだけが強調されるデザインだと、チープで武骨な印象は強い。これは他の高級車にも共通することなので、大変興味深い話題であった。

このほか、技術面では大型デジタルメーターや薄くて大型のセンターディスプレイの採用が挙げられ、アナログからデジタル要素を強めることもイマドキな上質さの1つであることが理解できた。

改良新型コンパスのインテリア(北米仕様)
改良新型コンパスのインテリア(北米仕様)    FCAジャパン

ジープらしいエクステリアはそのままに、内装を一新させた新型コンパス。

その姿は、ジープらしさが薄まり、都市型クロスオーバーの色を強めたと感じるかもしれない。しかし、ジープが大切にするのは、クルマとしての機能と快適だ。

コンパスは、ジープの中では、ライトな存在であり、活躍の舞台は、やはり街中や郊外の舗装路だ。しかし、それは同時に多くの人にフィットする存在であることを意味する。

今回の改良は、そんな日々のちょっとした冒険を、安全快適に乗り越えるために最適化された姿ともいえるのではないだろうか。

もちろん、従来のような全モデル共通のインテリアデザインは、今後、薄れていく部分もあるだろう。しかし、個々のキャラクターがより鮮明となるはずだ。

ジープのインテリアデザインを指揮するベンジャミン氏の言葉は、そんな未来のジープへの期待を膨らませてくれた。

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