【北米で人気のワケ】古いランドクルーザー 40系のオークションから見える名車の魅力

公開 : 2021.08.01 18:15  更新 : 2021.10.11 10:50

オリジナル重視のレストモッドまで

高額で落札されて話題を呼んだ40系ランクルといえば、昨年10月に開催されたRMサザビーズ・エルクハート・オークションに姿を現した1981年FJ43ハードトップだ。

実はこのFJ43は、アメリカのマイアミに本拠を構えるランクル・スペシャリストのFJカンパニーが手掛け、徹底的に手が加えられたレストモッドなのである。

トヨタ・ランドクルーザーのレストモッド車(FJ43:1981年式)
トヨタランドクルーザーのレストモッド車(FJ43:1981年式)    RM Sotheby’s/Darin Schnabel

基本的にはやはりオリジナル志向で、シャシーを分離する本格的なレストアを行い、新車以上のコンディションに復元。注目したいのは、クラシックな雰囲気を保ちつつ、現代のテクノロジーを盛り込んで快適に乗れるランクルを目指していた点である。

それを象徴するのがエンジンだ。後継モデルの70、80、100系ランクルで使われている直6 DOHC 4.5Lで燃料噴射式の1FZ-FE型に換装され、5速トランスミッションを組み合わせて現代の路上でも扱い易い。

このほかにも、純正部品を流用してパワーステアリング、フロントにディスクブレーキを備え、LEDヘッドランプ/オドメーターのデジタル化など、現代的な装備を備える。

注目の落札額だが最終的に17万3600ドル(約1823万円)という驚きの額で落札された。レストアを超越して、新たに作られた2020年製のFJ43といえる内容だけに納得できてしまう。

レストモッドの題材にされるということは、40系ランクルが誰もが認める名車であることの証しといえよう。

トヨタも動いた 40系の部品が復刻へ

日本ではトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)が、ランドクルーザー生誕70周年の一環として「安心して40系ランドクルーザーに乗れるように、エンジン関係や駆動系、排気系部品を復刻する」と8月1日に発表した。

発売時期は2022年の初めごろを予定。これらの部品は「GRヘリテージパーツプロジェクト」として復刻され、純正部品として再販売される。

ランドクルーザーの部品復刻が、「GRヘリテージパーツプロジェクト」として、まずは40系を対象に始動することが明らかになった。
ランドクルーザーの部品復刻が、「GRヘリテージパーツプロジェクト」として、まずは40系を対象に始動することが明らかになった。    トヨタ

また特設ウェブサイト内で、復刻を希望するパーツを書き込めるアンケートフォームを開設。このアンケートで集まった要望は、次の復刻部品の選定に活用されるという。

40系の現在のオーナーは、コアなファンばかり。すでに部品の調達・互換性に詳しいので、復刻部品が発売されたときの彼らの反応が楽しみだ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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