【神童】ジョージ・ラッセル 「メルセデスに移る準備はできている」 ハミルトンとの対決に自信

公開 : 2021.08.15 18:05

メルセデスへの移籍が期待されるラッセルにインタビュー。自身の改善点や価値観について聞くことができました。

順調にキャリアを築いてきた23歳

text:AUTOCAR UK編集部
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

ジョージ・ラッセルは何も心配することはない。彼はメルセデスとの契約に前向きで、あとはメルセデスがいつ決断するかの問題だ。

もう1シーズン、ウィリアムズにとどまるのか、それともメルセデスに移籍して、チャンピオンであるルイス・ハミルトンのチームメイトとしてステップアップするのか。メルセデスの開発ドライバーだったこともあり、今さら交渉で説得する必要もないだろう……。

ジョージ・ラッセル
ジョージ・ラッセル

「公正に評価されると思う」とラッセルは言う。

「僕は2016年からメルセデスの一員に加わったけど、ウィリアムズに入るまでの数年間で、たぶん100日以上もシミュレーターを使ってきたんじゃないかな。レース後にはいつも彼らとコミュニケーションをとっているよ」

「僕がどこでレースをするか、最終的に決めるのは彼らだから、ちょっと不思議な立場だね。責任はメルセデスにあるけど、僕にできることを証明するために良い働きをするのは当然さ」

記事執筆時点では、公式な発表は何もなされていない。

現メルセデスのバルテリ・ボッタスは、来シーズンもシートを確保しようと結果を追い求めているが、年々意味をなさなくなってきている。いつかはルイス・ハミルトンも引退するときが来る。メルセデスはその時に備えようとしているが、覚えておきたいのは以前にも同じことがあったということだ。

2016年、ニコ・ロズベルグはハミルトンを破って世界チャンピオンに輝いたが、彼自身はもう二度と表彰台に上がれないだろうと考え、引退を決意した。メルセデスはドライバーを求めて奔走することになり、ボッタスが選ばれたが、彼がチームに馴染むまでには時間がかかった。もしハミルトンが出ていってしまったら、メルセデスはすぐに活躍できるチームリーダーを必要とするはずだ。

メルセデスに移る準備はできている

ボッタスは非常に競争力のある人物であり、彼にとって唯一の「事件」は、史上最高のF1ドライバーとも言われるハミルトンと組んだことである。一方のラッセルは、ルイスとの対決をあまり心配していないようだ。

「誰もが最高のドライバーと対戦したいと思っているし、誰もが自分自身を信じている」

ジョージ・ラッセル
ジョージ・ラッセル

「僕としては、プレッシャーがなくなり、ウィン・ウィンのシナリオを描けるようになることを願っているよ。もし、史上最高のドライバーと戦うことがあれば、そんな心構えで臨もうと思う」

「失うものが何もないというのは、本当に素晴らしいことだと思うよ。今、セルジオ・ペレスが置かれている状況はそんな感じさ。失うものがないからプレッシャーもないし、楽しみながら自分の力を見せつけることができる」

――あなた自身の考えでは、F1のトップチームに移る準備ができているということですか?

ラッセルは迷うことなく、「もちろん」と答えた。

「僕は自分を信じているし、優勝やチャンピオンを目指して戦う準備もできている。昨年のバーレーンでは、何の準備なくいきなり投入されるという大きなチャレンジを経験した。マシンの間を縫ってスピードに乗ることがいかに難しいか、証明されたと思う」

「あのレースでは、ペースを上げていくのは難しいと感じていたけど、それでもまずまずの結果を残せたから、準備はできていると思う。間違いなくね」

これは、ラッセルの考え方を知る上で興味深いものだ。ラッセルは、新型コロナに感染したハミルトンの代役として、急遽メルセデスから参戦したバーレーンGPで素晴らしい走りを見せた。ラッセルはしっかりと自分の足跡を残したのだ。

「うまくいったけど、自分の能力を最大限に発揮できたとは思えない。新しいことに挑戦すれば、それが当たり前なんだけどね。最初の1回目では、うまくいかないものだよ」

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