ポルシェ911 ターボ レースから生まれた930 トルクの山が乗り手を向こう見ずに惹き込む ターボ! ブースト!(5)
公開 : 2026.02.28 17:45
動力性能の追求が目的だった「ターボ」 FFハッチバックに四動のラリー・ホモロゲ、RRスポーツまで効果は抜群 技術の恩恵を最も享受したのは日本? UK編集部が各国代表7台のパワーを全開放
もくじ
ーモータースポーツの産物だった930ターボ
ー高級グランドツアラーとして贅沢な装備も
ー低域で扱いやすい水平対向6気筒ターボ
ー乗り手を向こう見ずに惹き込むトルクの山
ーフラッグシップ・グレードと同義語に
ーポルシェ911 ターボ(930型/1974〜1989年/英国仕様)のスペック
モータースポーツの産物だった930ターボ
3.2Lエンジンの911 カレラRSでも、大きく引き離されることはないはず。それでも、930型ポルシェ911 ターボの加速は、すべてを置き去りにするような威勢がある。
右足を倒すと、ヒュッーという響きとともにブーストが増し、アフターバーナーのようにトルクが開放され、後ろから強く蹴り出される。4000rpmで一層エネルギーが高まり、タコメーターが霞む勢いでシートへ背中が押し付けられる。

レーシングカーに似た排気音は、偶然ではない。1973年に発表された930型は、ポルシェのモータースポーツ活動の産物として誕生している。
1972年のアメリカ・カンナムシリーズで、1000psの水平対向12気筒ツインターボエンジンを積んだ、ポルシェ917/30レーサーは大活躍。これを受け、1974年には911 RSRがターボ化され、グループ4へ挑戦し目覚ましい結果を残している。
高級グランドツアラーとして贅沢な装備も
このグループ4のホモロゲーション取得が、917/30へちなんだコードネームを得た、930型911を誕生させた。エンジンは、カレラRS 3.0用がベース。ドライブトレインやブレーキも同様で、サスペンションの構造とリアウイングは、RSR譲りといえた。
3.0L水平対向6気筒エンジンは、主任技術者のハーバート・アンフェラー氏率いたチームがチューニング。KKK社製ターボが最大0.8barのブーストを生成し、最高出力260psと最大トルク34.9kg-mを発揮した。

燃料供給は、Kジェトロニック・インジェクション。圧縮比は6.5:1まで下げられ、扱いやすさを担保しつつ、アメリカの排出ガス規制にも対応している。
速いだけでなく、911 ターボは高級グランドツアラーという設定で、レザーシートにヘッドライト・ウオッシャーなど、贅沢な装備を用意。防音材も増やされた。
低域で扱いやすい水平対向6気筒ターボ
911ターボは、1977年に3.3Lへ拡大。ティートレイ・リアウイングの下にはインタークーラーが実装され、最高出力300ps、最大トルク41.8kg-mへ上昇している。917由来のブレーキとサーボも獲得し、強化クラッチでエンジンは30mm後方へずらされた。
エアコンと電動サンルーフ、レザーシートは標準に。車重は1200kgに増えている。それでも、フェラーリ512 BBiを0-400mダッシュで打ち負かす俊足を誇った。

ガード・レッドのワイドボディが象徴的な、ジャロッド・エリス氏が所有する1台は、1981年式。オプションだったリミテッドスリップ・デフと、快適でクッションが特徴的な、通称「ドクター・フールマン」シートが載る。
前が205mm、後ろが225mmの幅を持つピレリPゼロタイヤには、明らかなキャンバー角が付いている。ステアリングにはアシストがなく、通常のカレラより重い。ペダルはオルガン式で踏みやすく、水平対向エンジンも低域で扱いやすい。























































































































