【危険?】トヨタ・カローラ・クロス登場へ 怯えるC-HR/ヤリス・クロス

公開 : 2021.09.03 05:45  更新 : 2021.10.13 12:01

注目度の高いトヨタ・カローラ・クロス。SUVを続々に発売するトヨタの中でも競合が……。身内の共食いについて考察します。

注目度高い カローラのSUV

執筆:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
編集:Taro Ueno(上野太朗)

いま、自動車系のウェブメディアでもっとも盛り上がっているクルマ。それはトヨタの新型車「カローラ・クロス」だ。

その車名に馴染みがない人も多いのは無理もない。日本ではまだ発売されていない車種だからである。

トヨタ・カローラ・クロス(海外仕様)
トヨタ・カローラ・クロス(海外仕様)    トヨタ

正式発表は9月中旬といわれ、いまはそこへ向けてのカウントダウン状態。

一方、海外ではすでに発売されている地域もあり、日本デビューを待ち望む声も少なくない。

カローラ・クロスに関するウェブ記事が軒並み良好なアクセスを稼いでいることが、その何よりの証だ。

カローラ・クロスは、ひとことでいえば、「カローラ」の名を冠したSUV。そして「カローラの歴史においてはじめてのSUV」である。

プラットフォームはカローラをはじめ「プリウス」などとも同じタイプを活用し、全長4460mm×全幅1825mm(タイ仕様の数値で国内向けは変更される可能性もある)という車体サイズは「C-HR以上、RAV4未満」だ。

さて、そんなカローラ・クロス。トヨタ内でのカニバリゼーションはないのか?

カニバリゼーションとは、直訳すると「共食い」。同じメーカーの商品同士がぶつかって、客を奪い合ってしまう現象のことだ。

たとえば、スズキでいえば「かつてはワゴンRがたくさん売れたが、スペーシアやハスラーが登場したことで販売台数が減ってしまった」といった状況があてはまる。

では、カローラ・クロスがトヨタのSUVラインナップに加わることでどんな変化が起きるのか?

SUVが続々登場 刻みすぎ?

実は昨今、トヨタのラインナップに大きな変化が起きている。

セダンの車種が激減しているのだ。

トヨタ・カローラ・クロス(海外仕様)
トヨタ・カローラ・クロス(海外仕様)    トヨタ

2021年9月現在、トヨタの公式ウェブサイトに掲載されている日本向けに展開しているセダンはカローラのほか「カローラ・アクシオ」、「カムリ」、「クラウン」、「センチュリー」、「プリウス」、「プリウスPHV」そして「ミライ」の8モデル。

しかし、そのうちセンチュリーとミライは一般向けとは言い難いし、プリウスとプリウスPHVに関してはハッチバックなので「セダン」に分類していいか悩ましい。

それらを除外すれば、実質的にトヨタのセダンといえるのは、カローラ、カローラ・アクシオ、カムリ、クラウンの4車種だ。

マークX」や「プレミオ/アリオン」はもう存在しないのである。

一方のSUVは「ライズ」、「ヤリス・クロス」、「C-HR」、「RAV4」、「RAV4 PHV」、「ハリアー」、「ランドクルーザー・プラド」「ランドクルーザー」そして「ハイラックス」の9車種が公式ウェブ上でSUVに分類されている。

RAV4とRAV4 PHVは同じモデルとしてカウントし、ハイラックスはピックアップなので除外しても、7車種となる。

そして、ここにカローラ・クロスが加わることで、8車種となるのだ。

セダンが縮小するかわりに、SUVの勢いが拡大。そしてサイズを刻んで多くのユーザーにすきなく対応する。

そんなラインナップの変化はもちろん、世の中の嗜好を反映したものである。

ここまで刻んだ展開については、あるメーカーの商品企画担当者が「トヨタほどの規模があるがゆえ。ウチではとても真似できない」と漏らすほどだ。

ただ、どう考えても、カニバリゼーションが起きないはずがない。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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