【過剰品質な小型サルーン】メルセデス・ベンツ190クラス 英国版中古車ガイド 価格は上昇中

公開 : 2021.09.27 08:25  更新 : 2021.10.14 16:04

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マーク・テイラー:MTSV社代表

メルセデス・ベンツ190クラスの良さに気付いたのは、1980年代の終り。仕事で社用車の190 1.8を運転していた時です」

「インテリアを眺めれば、フロントガラスは切り立っていて、シートはビニール張り。なせこのクルマに大金を支払うのか、理解できなかったのを覚えています。レザーの代替品として耐久性の高いMBテックスが用いられているとも、当時は知りませんでした」

「しかし実際に運転してみると、その品質の高さに心が奪われたんです。数年後に、190を含むクラシックなメルセデス・ベンツを扱う事業をスタートするきっかけにもなっています」

「190クラスへの需要は、今でも非常に高い状態にあります。ここ1年で、取引価格は30%ほども上昇しているんです」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

1988年以前の2.0Lエンジンにはシングルチェーンが用いられており、11万2000km毎の交換が必要。1988年以降の場合、よりタフなダブルチェーンに置き換わっている。

エンジンの排気量に関わらず、ガスケットの不具合が起きやすい。正しいクーラントを用いないことが原因となる。

キャブレター・エンジンの場合は、馬力の山にフラットスポットが生じていることも。インジェクションは電気機械式で、どちらも整備には古い経験が必要だ。

トランスミッション

4速ATは堅牢だが、4年毎にフルードとフィルターの交換を行いたい。5速MTも頑丈だが、あえてAT用フルードに交換することが最高の状態を保つポイントだという。

サスペンション

フロントのロア・ボールジョイントは摩耗しやすい。サスペンション・スプリングは破断することがある。ブッシュやアーム類などは、耐久性が非常に高い。

ボディ

フェンダーの内側にウォータータンクの下側、バッテリートレイ周辺が錆びやすい。バッテリーが液漏れ、バルクヘッドやキャビンに侵入していないかも確かめたい。

1988年のフェイスリフト以降の190クラスでは、大きなバンパーが汚れを溜めてしまい、荷室フロアを腐食させる原因となる。ジャッキポイント・カバー裏側のサビにも注意したい。

インテリア

ドアの内張りは、上部だけで持ち上げてしまうと壊れる。交換部品は安くない。MBテックスと呼ばれる内装素材は頑丈。標準のクロスも摩耗性は高い。ベロア内装は珍しいが、剥げてしまう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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