ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックへ試乗 クラスベストの予感 前編

公開 : 2021.11.17 08:25

比較的軽い車重が生む多くのメリット

静止状態から一気にアクセルペダルを踏み込み、218psの最高出力を解き放つと、フロントタイヤを空転させながら発進した。路面が湿っており滑りやすかったことは事実ながら、技術者は発売までに修正を与える予定とのこと。仕上がりを待とう。

乗り心地は感心するほど良い。このクラスでは、ベストにランクインできそうだ。一部の純EVでは処理しきれない、大きなバンプを超えた後の揺れ残りも感取されなかった。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック(欧州仕様)
ルノーメガーヌ Eテック・エレクトリック(欧州仕様)

橋桁の継ぎ目などを超えると衝撃が届いていたが、試乗車が履いていた20インチという大きなホイールも原因なはず。それでも、コーナリング時の姿勢制御には締りがあり、衝撃吸収性にも優れている印象だ。

この姿勢制御を叶えているのが、1624kgという純EVとしては比較的軽い車重。新開発となる、軽量な駆動用バッテリーとモーターの貢献が大きいのだろう。加えてドアパネルもアルミ製で軽い。

内燃エンジンを積むこのクラスのハッチバックと比べれば、300kg前後は重いことも事実。だが、58kWhの駆動用バッテリーを積むフォルクスワーゲンID.3より、約200kgも軽い。メリットが得られる違いだといえる。

軽快な操縦性や、良好な乗り心地だけでない。電費効率にも軽さは影響を与える。60kWhの駆動用バッテリーで470kmの航続距離をルノーは主張するが、例えば64kWhのバッテリーを積むキアeニロと同等の距離を走れることも、それを証明している。

エアコンには、新しいヒートポンプを採用。走行で生じる熱エネルギーを効率的に回収し、暖房に利用しているという。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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