キングスレー・カーズ ULEZレンジローバー・クラシックへ試乗 本物を現代的に 後編

公開 : 2021.12.08 08:26

シンプルに素晴らしい現代化したクラシック

トランスミッションは、ZF社製の4速ATが組まれていた。変速は滑らかとはいえず、キックダウンの反応も鈍い。しかしV8エンジンが生み出す低速トルクで、シフトダウンせずともたくましく加速する。

ULEZレンジローバー・クラシックの運転は楽しい。懐かしい見た目のクルマを、現代的な質感で走らせることができる。機械的な特長は本物のまま。豊かな個性が備わり、とても特別な体験を享受できる。

キングスレー・カーズ ULEZリボーン・レンジローバー・クラシック(英国仕様)
キングスレー・カーズ ULEZリボーン・レンジローバー・クラシック(英国仕様)

燃費効率が重視され、均質化が進む現代的なモデルとは、まったく異なる時間だった。燃費は、良くても7.8km/Lほどのようだ。

レンジローバー・クラシックをウルトラロー・エミッション・ゾーン(ULEZ)が施行されるロンドン中心部で乗りたく、ULEZ税を支払いたくないと考えるなら、検討の価値はある。20万ポンド(約3040万円)を用意できるなら。

合理的で懸命な選択肢にはならないだろう。ULEZの意義にも反している。だが、金額に見合う内容かを判断するのは、その人次第。筆者が購入を検討できるほど経済的に余裕があるなら、合理性を理由にクルマを選ぶことはないかもしれない。

ULEZレンジローバー・クラシックは、シンプルに素晴らしい。所有する充足感や走りの楽しさは、ULEZ課税の対象になるかどうかとは、別の要素だと思う。

CO2排出量が多いクルマに対して課税される、ULEZという制度がなければ、この手のレストモッドは誕生しなかったかもしれない。運転しやすく現代化されたクラシックカーを楽しめることは、歓迎できる結果だといえるだろう。

キングスレー・カーズ ULEZリボーン・レンジローバー・クラシック(英国仕様)のスペック

価格:19万7726ポンド(3005万円/試乗車)
全長:4470mm(オリジナル・レンジローバー)
全幅:1778mm(オリジナル・レンジローバー)
全高:1778mm(オリジナル・レンジローバー)
最高速度:185km/h
0-100km/h加速:7.0秒(予想)
燃費:7.8km/L(予想)
CO2排出量:−
車両重量:1876kg
パワートレイン:V型8気筒4552cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:270ps/5000rpm
最大トルク:42.3kg-m/3500rpm
ギアボックス:4速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

キングスレー・カーズ ULEZレンジローバー・クラシックへ試乗 本物を現代的にの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事