ジープ・コンパス 4xe Sへ試乗 マイナーチェンジでPHEV登場 悪路性能もキープ

公開 : 2021.12.28 19:05

システムのシームレスさでは一歩譲る

1万ポンド(約152万円)の違いで、PHEVと四輪駆動、ATが得られ、パワーは倍近くへ増えつつ、CO2の排出量はカタログ値で3分の1減る。またPHEVには11.4kWhの駆動用バッテリーが搭載され、最大48kmを電気モーターだけで走行できる。

デフォルトのハイブリッド・モードのほか、都市部に適したEVモードやバッテリーの充電量を温存するモードなども選択可能。理解できる価格差だといっていい。

ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)
ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)

実際にPHEVのコンパスを運転してみる。全体的には能力が高いと感じるものの、一部ではライバルモデルが備える洗練度には届いていない印象も残った。

パワートレインはたくましく、0-100km/h加速を7.5秒でこなす。しかしパワーデリバリーとシフトチェンジには、若干ギクシャクした感覚が伴う。磨き込まれたPHEVシステムほどのシームレスさはないようだ。

アクセルペダルを踏み込んだ場面などでは、エンジンの反応に少しの躊躇を感じる。回転数が高まるほど、ノイズが車内に届く点も気になった。

操縦性は良好で、運転はしやすい。ステアリングは比較的ハイレシオなのか、切り始めから軽快にコンパスは向きを変える。直進性も良く、ステアリングホイールの重み付けも丁度いい。ただし、タイトコーナーではアンダーステアを抑えきれていない。

乗り心地は快適。サスペンションの減衰力も充分効いている。

ジープらしいオフロード性能も保持

今回の試乗では、そこそこのオフロードコースを走る機会も用意されていたが、不足ない走破性を確かめることができた。トラクションに優れ、起伏部などでもボディを擦らない、ロードクリアランスを備えている。

コンパスが位置するCセグメントSUVは、特に競争が厳しい。そんななかで、ジープらしい個性を備えたPHEVの登場は歓迎できる。

ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)
ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)

クラスベストとは呼べないものの、走りの質は充分に好印象。シンプルながら活動的なルックスと、価格価値に優れた装備や能力を備えている。このクラスのSUVをお考えなら、検討候補に加えたい1台だといえるだろう。

ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)のスペック

英国価格:4万895ポンド(約621万円)
全長:4395mm
全幅:1820mm
全高:1640mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:7.5秒
燃費:50.0-55.5km/L
CO2排出量:44-47g/km
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1298ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:18.8kWh
最高出力:240ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:6速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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