2021年の最高を選出 1年を代表する個性派11台が集結 BBDC 2021(1)

公開 : 2021.12.29 05:45

2021年のベスト・ドライバーズカーを選出する、AUTOCAR恒例のBBDC選手権。11台の優秀モデルから頂点に選ばれるのは?

通算33回目を迎える、恒例のBBDC選手権

AUTOCAR恒例、英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権へようこそ。通算33回目の開催を迎えることができた。3日間を通じて、審査員が公道とサーキットでノミネート車両を乗り尽くす、われわれがハンドリングデイとも呼ぶイベントだ。

難しい説明は抜きにして、BBDC選手権で求めるものは至極明快。この1年で発売されたクルマのなかで、最も運転が楽しい1台はどれかということ。

英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権 11台のノミネート車両
英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権 11台のノミネート車両

毎年のことながら、2021年のラインナップも個性派揃い。ノミネート車両の一覧を目にすれば、それぞれの競争力から、選手権に対する期待度がある程度変わってくる。今年は、当たり年といえそうだ。

小さなハッチバックからスーパーカーまで、11台が属するカテゴリーは多彩。英国製スポーツカーも2台含まれている。2020年の勝者、アリエル・アトム4はディフェンディング・チャンピオンとして参加する。

選手権のプロセスは、まず1日を使ってノミネート車両を審査員が公道で試乗。道端の羊を驚かせないようなスピードでも、感動できるような体験を得られるのか確かめる。

2日目はサーキットに場所を移し、動的能力を解き放って、限界領域における操縦性を確認する。審査員お互いに意見を交わし、公道25点、サーキット25点、合計50点の採点をそれぞれ行い、3日目の最終審査へ進む3台を選出。最後にベストの1台を決定する。

ノミネートの11台が決まったのは2日前

2021年のBBDC選手権は、英国東部のスノードニア国立公園周辺の一般道と、アングルシー・サーキットでの開催となった。サーキットのマネージャーが、快く返事をしてくれたのがうれしい。

別のサーキットでも良かったかもしれない。しかし、アングルシー・サーキットが位置するノース・ウェールズ地方に広がる道ほど、ノミネート車両を吟味するのに好適な環境は英国には存在しなかったと思う。

英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権 審査の様子
英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権 審査の様子

今年のBBDC選手権は、幾つかの偶然と不運が重なった。ノミネート車両は夏頃から選出が始まっていたが、開発中のクルマもあり、何度も入れ替わることとなった。ヤキモキさせられつつ、ようやく11台が決定したのはコンテストの2日前。

当初はシボレーコルベット C8もノミネートの1台だったが、欧州仕様の発表イベントはBBDCの日程に間に合わなかった。マクラーレンアルトゥーラも加えたいモデルだったが、プレスリリースのタイミングで叶えることはできなかった。

マセラティMC20も参加を逃した。もし11台に加わっていたら、ミドシップの傑作モデルとして、新たな歴史を作っていた可能性もある。最終的に、2021年を代表するようなクルマが揃った光景には、驚きが少し足りなかったかもしれない。

とはいえ去年の優勝モデル、アリエル・アトム4も交えたすべての車両は間違いなく高水準。今年は3日間を通じて気温が暖かく、路面も乾燥しており、珍しく条件も良かった。アングルシー・サーキットでも、霧雨に振られた程度で済んだ。

記事に関わった人々

  • マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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