ジープ・コンパス 4xe Sへ試乗 マイナーチェンジでPHEV登場 悪路性能もキープ

公開 : 2021.12.28 19:05

人気のSUVカテゴリーへ投入された、PHEV版の新しいコンパス。価格価値に優れると、英国編集部は評価します。

コンパスにPHEVの4xeが登場

元祖オフローダーといえる、ランドローバー・ディスカバリーを生み出した英国。それでも英国人は、以前からアメリカ製のジープが好きだ。第二次大戦中のタフな活躍で定評を築いて以来、今でも比較的身近な存在になっている。

そんなジープに、システム総合240psのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を搭載したコンパスが登場した。マイナーチェンジでインテリアも一新し、これまでで最も暖かい歓迎を受けそうだ。

ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)
ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)

近年の英国では最も需要の多いCセグメントSUVに属するコンパスは、調子が良い。2021年のジープの販売台数のうち、22%を占めているという。今回のリフレッシュで、2022年には26%にまで伸びるだろうと同社は予測している。

その理由の1つは、英国へやってくるジープの生産拠点がインドからイタリアへ移されたこと。製造品質の向上が期待でき、クルマ自らの営業力が増すと考えられる。

加えて、4xe(フォーバイイー)と呼ばれるPHEV仕様が登場。オフロードに軸足をおいたトレイルホークと、都会派のSが選べるラインナップが後押しする。英国ではPHEVの販売数が前年比で2倍に増加しており、この上昇気流にコンパスも乗れるだろう。

180psの1.3Lエンジン+駆動用リアモーター

マイナーチェンジを受けても、ジープ・ライクな見た目はそのまま。充実した装備に競争力のある価格設定で、エントリーグレードから訴求力は高い。今回試乗したコンパス Sの英国価格は、4万895ポンド(約621万円)となっている。

ただしドイツや日本、韓国などの自動車メーカーも、このクラスのSUVには積極的に取り組んでいる。PHEVが選べるモデルも少なくないから、良く比較はしたいところ。

ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)
ジープ・コンパス 4xe S(英国仕様)

見た目は、マイナーチェンジ前との識別はそれほど難しくない。フロントマスクの変化がわかりやすいと思うが、7本に別れたフロントグリルは従来どおりだ。

2022年仕様のコンパスは、英国では4グレードが展開される。エントリーグレードになるのがナイトイーグルで、その1つ上に据えられるのがリミテッド。

どちらも前輪駆動となり、130psを発揮する1.3L 4気筒ターボガソリンに6速MTが組み合わされる。英国価格は2万9895ポンド(約454万円)から。

PHEVで四輪駆動となるのが、トレイルホークとS。内燃エンジンはナイトイーグルなどと同じ1.3Lながら、最高出力は180psへ増強される。そこに駆動用モーターがリアタイヤ側に組み合わされ、システム総合で240psとなる計算だ。

トレイルホークの英国価格は、3万9895ポンド(約606万円)へ上昇する。トランスミッションは、6速ATが搭載される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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