ホンダS2000 英国版中古車ガイド FRに2.0L VTEC 珠玉の2シーター・スポーツ

公開 : 2022.02.16 08:25

新車時代のAUTOCARの評価は?

エンジンは9000rpmのレッドライン目掛けて吹け上がる。回頭性は鋭く、量産モデルとしては最も調整域の広いシャシーを備えている。アクセルペダルとステアリングの操作で、どんな姿勢にも持ち込め、運転の喜びに浸れる。

あまりの楽しさに、何時間でも運転したいと思える。人間工学にも優れ、肉体的に痛いと感じるとすれば、笑顔の連続で顔がひきつることが原因だろう。 (1999年5月12日)

ホンダS2000(1999〜2009年/英国仕様)
ホンダS2000(1999〜2009年/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

製造品質は高いものの、パネルの交換は安くできないので、購入前によく観察したい。多くが、軽い当て傷や擦り傷があるようだ。

ブレーキ

制動力に優れ、耐久性も高い。年式的に、走行距離が長い例ではサイドブレーキの不具合やキャリパーの固着などは起き得る。

サスペンション

ホンダS2000(1999〜2009年/英国仕様)
ホンダS2000(1999〜2009年/英国仕様)

ブッシュはヘタっていて不思議ではない。英国ホンダはブッシュを個別に販売していないので、無限の代替部品を探してみるのも良い。費用も抑えられる。

足まわりにダメージを受けていなければ、ステアリングホイールが真上の状態でピシッと直進し、タイヤは均一に摩耗する。ナットやボルト、偏心アジャスターは経年劣化するので、合わせて確認したい。

トランスミッションとデフ

シフトレバーは、6速トランスミッションへ直接つながっている。そのため、レバーにはもともと多くの振動が伝わってくる。

クラッチやデフなど、ドライブトレインは全体的に堅牢だが、8万kmから16万kmほどで、クラッチのメンテナンスが必要になることがある。スレーブシリンダーの劣化にも注意したい。

インテリア

インテリアは作りが良く、耐久性も高い。それでもレザーは摩耗するし、運転席も走行距離が伸びるほど傷んでくる。

ソフトトップは劣化によるヒビ割れや、雨漏りしそうな部分がないか観察する。2001年までのソフトトップには、割れやすいプラスティック製のリアウインドウが付いている。

エンジン

高回転型ユニットにも関わらず、信頼性は驚くほど高い。タイミングチェーン・テンショナーは、劣化してくると始動時や2000rpmから3000rpm前後で異音を出す。

長期間乗らないでいると、タイミングチェーン・テンショナーに不具合が出て、バルブタイミングが狂い、エンジンのヘッドに致命的なダメージを与えてしまう場合も。テンショナーはネットで安く購入できる。

欧州仕様では、2003年式までのS2000で特にエンジンオイルの消費量が多い。オーナーによっては、1600km毎に1Lを継ぎ足す人もいるそうだ。こまめな補充と、定期的なオイル交換は欠かさないでおきたい。半年か1万km以内が良いだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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