日産ジューク・アセンタ・プレミアム dCi 110

公開 : 2014.07.05 23:20  更新 : 2017.05.29 19:27

■どんなクルマ?

スコダ・イエティやシトロエンC4カクタスなどのライバルにあたる、人気でユニークな日産・ジュークのフェイスリフト版をテストする。

フロントとリア・エンドは新しい意匠へと変更され、新たなアロイ・ホイールと追加カスタマイズ・オプションが加えられただけではなく、オーディオも今までのものとは異なったものになった。

またここでテストするモデルと等しい二輪駆動版には収納スペースが増え、トランク・ルームの収容能力も40%増の354ℓに嵩上げされた。したがって、今までのジュークはヒュンダイi10に代表される小型シティ・ハッチほどの荷室容量しか持たなかったのだけれど、ここにきてトヨタ・オーリスに挙げられる従来のハッチ・バックと肩を並べる結果に至ったのだ。

テストに借り出したクルマは、2013年から変更を受けていない1.5ℓdCiディーゼル・エンジンにマニュアル・トランスミッションが組み合わされた、上から3番目のグレードのアセンタ・プレミアムである。このグレードには包括的な装備が用意され、5.8インチのサテライト・ナビとメディア・システム、DABラジオ、クルーズ・コントロール、ブルートゥース接続、バック・カメラ、オート・エアコンがその代表だ。

■どんな感じ?

乗り込む際に苦労することはなく、いざコクピットに身を収めれば広々としたインテリアだと感じるはずだ。後席に関しても180cmの乗客でさえ満足できるだろう。

ここ最近の日産のクルマはどれも印象的だ。目で見て良し、さらに高い位置にマウントされたステアリングは全方向の視界を広げるのに一役買っているし、キャビンに採用された大多数のマテリアルは現代のスタンダードと言うことにも躊躇はない。

多くのユーザーがギア・レバーの前方を携帯電話の置き場所としていることを考慮して、ゴム加工が施される点など細かなディテールにも注意深く考慮を重ねているところも非常によろこばしい。加えて携帯を置く場所から遠くない位置にUSBポートなどの接続キットが配されている点にも好感が持てる。

電動ミラーが標準装備ではなこと、ステアリングの調整角度が小さいこと以外に大きな不満は見当たらない。

トランク内は二段に仕切ることができるため多くのユーザーを喜ばせることになるはずだが、仕切りの下側にはスペア・タイヤではなくおアンク修理キットしか用意されていない点にはがっかりするのだが。

しかしそれ以外の内装は、実用性を持ちながら快適、またスマートな柄のファブリック地や、考えぬかれた触り心地は価格とキャラクターの双方を印象づけるのに大きな役割を果たしていると言えるだろう。

いざ路上に繰り出せば、ジュークの力量を即座に感じることになるだろう。ステアリングは正確でクイックな反応をし、たとえ高速域から一気に減速したとしても、なにも慌てること無く簡単に操作することができるからだ。

その一方で乗り心地に関してはすべてのユーザーを満足することは難しいだろう。というのもジュークはスポーティかつ若々しさを謳うモデルだけに、スプリングが割合硬めなのである。したがって仮にコーナーに速度を乗せたまま侵入した際に大きなバンプを踏み越えた場合、最悪の事態も想像しておかなければならない。

またエンジンに関しては良くも悪くも期待通りといったところで、経済的な1.5ℓディーゼルは高速域ではうるさく、低速域では大きなトルクを与えてくれる。

6速マニュアル・トランスミッションの味付けはショートで、時に大袈裟なメカニカルな主張は、かえってドライビングに夢中にさせてくれるはずだ。

ギア・レバー前方のコンソールに備え付けられた、しっかりとした体裁をもつ ’ダイナミック・コントロール・システム’ のおかげで、好みのスロットル・レスポンスを選択することができ、また多様な情報を表示することもできる。

この機能はおもしろく、ジュークのレスポンスを簡単に変えることができるのだが、ドライバーの目線からは程遠い位置に据えられているためにお世辞にも実用的だとは言い難かった。

■「買い」か?

運転を楽しむことができる上に、広々としたインテリアと多様な装備、さらには競争力のある価格を持っているのだから、コンパクト・クロスオーバーをお探しならばジュークは有力候補になり得るはずだ。

スコダ・イエティのディーゼル・エンジンを組み合わせたエントリー・レベルは£18,055(267万円)だが、ジュークの快適性には到底及ばない。

シトロエンC4 カクタスはスタイリングと価格ともにジュークに似た位置にあるのだが、それでもやはり知名度の高いジュークを選ぶ向きの方が多いだろう。

ダチア・ダスターならばC4よりもさらに興味深いライバルになり得るが、こちらの場合確立されたパッケージング、あるいは洗練されたパッケージングとは口が裂けても言い難い。

以上の点から、大方の人はジュークを選ぶことになるだろうが、ディーゼル・エンジンよりもさらに洗練されたガソリン・エンジンのモデルを買うことを強くおすすめする。日常的にさほどの距離を乗らないならばなおさらだ。

ディーゼル・エンジンから発せられる、ぶっきらぼうな音はシティ・ユースのクロスオーバーに新たな男らしい印象を与えるかもしれないけれど、さらに静かでスムーズなガソリン・エンジンは日常的に使ううえで嫌な思いをすることが全くない。

乗り心地に関してももう少しソフトにしてほしいのだが、やはり価格と装備をみれば、依然としてこのクルマに欠点を見出すことはそう簡単ではない。

(ルイス・キングストン)

日産ジューク・アセンタ・プレミアム dCi 110

価格 £17,865(313万円)
最高速度 175km/h
0-100km/h加速 11.2秒
燃費 24.5km/ℓ
CO2排出量 104g/km
乾燥重量 1378kg
エンジン 直列4気筒1461ccターボ・ディーゼル
最高出力 110ps/4000rpm
最大トルク 26.6kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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