RAV4って何? ゴルフはスポーツじゃない? 意外と知らない「車名」に込められた意味 23選

公開 : 2022.05.28 06:05

トヨタカローラ

トヨタを代表するクルマの1つである「カローラ(Corolla)」。世界中の誰もがその名を知る名車だが、その言葉を辞書で調べても、地味なエコノミーカーの絵は出てこない。カローラとは、「花の花弁で、がく片の中に渦を巻いているもの」と定義される名詞だ。植物学者がよく使う言葉である。

トヨタは「人目を引く美しいもの」となるよう、カローラと名付けた。
トヨタは「人目を引く美しいもの」となるよう、カローラと名付けた。

トヨタRAV4

トヨタは、SUVという言葉が広く知られるようになる前に初代「RAV4」を設計したため、独自の名称を考案する必要があった。RAV4は、「四輪駆動のレクリエーショナル・アクティブ・ビークル(Recreational Active Vehicle)」という意味だが、ほとんどの市場で前輪駆動が標準仕様となっている。

SUVの先駆者の1つであるトヨタRAV4は、力強い四輪駆動車であることをネーミングによって示したかったようだ。
SUVの先駆者の1つであるトヨタRAV4は、力強い四輪駆動車であることをネーミングによって示したかったようだ。

トヨタ・ヤリス

トヨタはドイツ語とギリシャ語を混ぜて、「ヤリス(Yaris)」という言葉を作った。トヨタによると、元となった「カリス(Charis)」はギリシャ神話に登場する美とエレガンスの象徴であるという。その最初の音節をドイツ語で「イエス(Yes)」を意味する「Ya」に置き換えたのだ。初代ヤリスのスタイリングに対する、デザイナーの期待を表している。

日本では、初代から3代目まで「ヴィッツ」と呼ばれてきた。ヴィッツの由来は、英語で「鮮やかな、いきいきとした」という意味の「Vivid」と、ドイツ語で「機知、才気」を意味する「Witz」を組み合わせたものとされている。

日本では長年ヴィッツとして親しまれてきたが、現行の4代目からヤリスに統一された。
日本では長年ヴィッツとして親しまれてきたが、現行の4代目からヤリスに統一された。

風をイメージしたフォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンの初期モデルは、業界で最も独創性のないネーミングのクルマとして知られていた。例えば、ビートルの正式名称はすばり「タイプ1」である。フォルクスワーゲンはしばらくして、前輪駆動の水冷モデルにもう少し華やかさを加えることにした。そこで、気象学にヒントを得たのである。

「ゴルフ(Golf)」は、ドイツ語で「ガルフシュトリーム(Golfstrom)」と呼ばれる「メキシコ湾流」にちなんで名づけられた。「パサート(Passat)」はドイツ語で「貿易風」、「ジェッタ(Jetta)」は「ジェット気流」、「シロッコ(Scirocco)」はサハラ砂漠から吹く「地中海の風」をイメージしている。

VWゴルフは、スポーツ由来の車名ではない。ちなみにポロはスポーツ由来だから、ちょっと紛らわしい。
VWゴルフは、スポーツ由来の車名ではない。ちなみにポロはスポーツ由来だから、ちょっと紛らわしい。

奇しくもシロッコは、マセラティの「ギブリ(Ghibli)」と同じ命名法である。ちなみに、ゴルフは米国で「ラビット(Rabbit)」と呼ばれる時期があった。スポーツのゴルフとの混同を防ぎ、もっと若々しいイメージを与えたかったようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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