コークボトルのスティングレイ シボレー・コルベット C3 英国版中古車ガイド 年式で異なる馬力

公開 : 2022.08.09 08:25

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マット・イーグルストーン氏:サンダー・ロード・クラシックス社

「ビッグブロックのV8エンジンにMTの組み合わせを除いて、基本的には素直で乗りやすいクルマです。ノーマルのスモールブロックにATなら、パワステとアシスト付きブレーキが装備され、運転しやすいと感じるはず」

シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)
シボレーコルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)

「ただし、欧州車や日本車では馴染みのないシステムが実装されています。メンテナンスが難しいと思う人もいるでしょうね」

「例えば、リトラクタブル・ヘッドライトの開閉は空気圧が担っています。バキューム・タンクとアクチュエーター、ホース類など、部品は少なくありません。ワイパーを隠しているフラップも、バキューム・システムで動いているんです」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

排気ガスに白煙が混ざっていたり、回転数が安定しなくても、過度に恐れる必要はない。シボレーのV8エンジンはシンプルで、専門的な知識と技術があればリビルドは難しくない。英国では、新品エンジンを2500ポンド(約42万円)程度で探すこともできる。

ビッグブロックは冷却系が課題。ラジエーターとファンシュラウド、ホース類の状態は良く確認したい。

ボディとシャシー

シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)
シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)

C3型コルベットのボディはFRP製。見えないところに大量の錆が隠れていることがある。ドアの開閉がぐらついたり、きれいに閉まらない場合は、シャシーの状態が怪しい証拠といえる。

チェックポイントはリアのトレーリングアーム付近。また、キャビンのシェルを構成するバードゲージと呼ばれる構造も重要。外部からの確認は難しいが、クルマの重要な部分であり、致命的な問題に繋がりかねない。

インテリア

内装は耐久性が低い。レザーとビニールのシートは比較的長持ちするものの、ダッシュボードとセンターコンソールにはヒビが入りやすい。ドアパネルも傷みやすく、交換部品は驚くほど高価だ。

電気系統

すべての配線が傷んでいないか、アースが正常に取られているか確かめたい。ボディはグラスファイバー製でアースが取りにくい。

スイッチ類も破損しやすい。一部の部品を除いて、今でも専門のサプライヤーから入手はできる。

ステアリングとサスペンション

ステアリングホイールを回して、大きいノイズが聞こえたり不自然に重い場合は、パワーステアリングのフルード不足の場合がある。エンジンの回転数上昇で不自然にステアリングが軽くなる場合は、パワステポンプの劣化が疑われる。

パワーステアリング・シリンダーをシャシーに固定する、ブラケットが駄目になりやすい。リア・サスペンションのアライメントや調整は重要。専門ショップに確認してもらった方が良いだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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