レスポンスとサウンドに心踊る シボレー・コルベット E-レイ(2) 間口が広がった北米のカリスマ

公開 : 2025.10.14 19:10

総合643psのV8ハイブリッドを得たE-レイ 後ろはプッシュロッドのV8エンジン、前は162psのモーターが担当 心踊るレスポンスとサウンド 後輪駆動の純粋さが残る操縦性 UK編集部が試乗

電動アシストは限定的 240km/h以上は無効

V8ハイブリッドを積む、最新のシボレーコルベット E-レイ。タッチモニターへ描かれるカラフルなグラフィックで、電気エネルギーの展開・回生状況を確認できる。だが実際のところ、駆動用バッテリーが小さく、アシスト量は限定的といえる。

低い速度域の巡航時でも、動力源を担うのは専らV8エンジン。穏やかなツアー・モードで感じる、ベーシックなコルベット・スティングレイとの違いは、僅かに重いステアリングとフロントノーズの反応くらいだろう。

シボレー・コルベット E-レイ(英国仕様)
シボレー・コルベット E-レイ(英国仕様)

240km/hを超えると、電動アシストは無効に。最高速度は289km/hながら、そこから先はハイブリッドがハンデウエイトになってしまう。また、駆動用モーターがフロントタイヤを回すのは、V8エンジンがリアタイヤへトルクを展開している時に限られる。

心が踊るV8のレスポンスとサウンド

とはいえ、スポーツかトラック(サーキット)・モードを選び、アクセルペダルを深く倒せば、モヤモヤは晴れる。自然吸気V8エンジンのレスポンスとサウンドへ心が踊り、速度は鋭く上昇。圧倒される大トルクではないものの、実環境での速さは間違いない。

高回転域では、合成のエンジン音が重ねられ、音響体験が補強される。これは、E-レイのみの機能。少し稚拙かもしれないが、自分は不快ではなかった。

シボレー・コルベット E-レイ(英国仕様)
シボレー・コルベット E-レイ(英国仕様)

EV状態が保たれる、ステルス・モードも備わる。速度は72km/h以下に制限されるものの、8kmほど電気だけで走ることもできる。早朝の住宅地では、効果的なはず。

トラック・モードでチャージ+を起動すると、駆動用バッテリーの消費が制限される。しかし、電動アシストが持続するため、ラップタイムは4%上昇するとか。他方、チャージ+を切ると、5分程度で電力は尽きてしまうそうだ。

直感的な操縦性 後輪駆動の純粋さが残る

操縦性は直感的で、後輪駆動の純粋なコルベットらしさが残る。フロントの駆動力が功を奏し、安定性は1割ほど高い。優れない路面コンディションでは、安心感も増すはず。

実際、アスファルトの不整が多いグレートブリテン島の道でも、スタビリティは明らかに高い。同時に、ステアリングの反応はスティングレイより若干穏やか。乗り心地やコーナーでの一体感は、僅かに劣るといえる。

シボレー・コルベット E-レイ(英国仕様)
シボレー・コルベット E-レイ(英国仕様)

北米カリフォルニアの住人なら、E-レイの恩恵は余りないかもしれない。だが、四季が豊かな土地で年間に数1000km走る人にとっては、訴求力ある提案になるだろう。

ドライブモードには、ツアーやスポーツ、サーキットの他に、滑りやすい路面が前提のウェザーも用意される。E-レイ固有の項目として、ドライバーが個別に登録できるマイ・モードと、タッチモニター上で微調整可能なZモードも用意される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

シボレー・コルベット E-レイの前後関係

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