コークボトルのスティングレイ シボレー・コルベット C3 英国版中古車ガイド 年式で異なる馬力

公開 : 2022.08.09 08:25

アメリカン・スポーツの代名詞、コルベット。ラリー・シノダ氏が仕上げたコークボトル・ラインのC3を英国編集部がご紹介します。

V8は5.0Lから7.4L 馬力は年式で大きく異る

ミドシップになった新しいシボレーコルベット C8は、正式に英国上陸を果たした。だが、それ以前のモデルもグレートブリテン島のアスファルトは走ってきた。登場から50年以上が経過した、C3型もその1つ。

ダイナミックなアメリカン・スタイリングに包まれた、象徴的なクラシック・スポーツカーを、英国なら1万2000ポンド(200万円)程度から探すことができる。気軽な気持ちでは、手を伸ばしにくいとはいえ。

シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)
シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)

クーペのほかにコンバーチブルも用意されていたC3型コルベットには、1968年から1982年という14年の生産期間に、様々なV8エンジンが搭載されてきた。5.0Lのスモールブロックから、7.4Lのビッグブロックまで。

前期型には、最もパワフルな7.4L V8で最高出力460psを発揮したものもあった。しかしモデル中期を迎える頃、アメリカでは排気ガス規制が強化。無鉛ガソリンに対応し、触媒が追加され、5.7Lから引き出せた馬力は165psに落ちてしまった。

アメリカ車に期待するようなパワフルさと、ラリー・シノダ氏が仕上げた本来のスタイリングを求めるなら、アイアンバンパーの付いた初期型を選びたい。1970年代初頭までのC3なら、0-97km/h加速5.5秒という俊足を叶えたビッグブロックを選べる。

ただし、アメリカの道路は広くまっすぐ。英国や日本のように、幅が狭くカーブが多い道は少ない。舗装も状態は良かった。一気呵成に加速するアメリカ車は、弱気なドライバーには向いていない。もちろん燃費も良くない。

基本的な知識と道具でメンテナンス可能

とはいえ、コルベットを維持する難しさは同年代のスポーツカーと同等。メカニズムは比較的単純で、メンテナンス部品も海外のサプライヤーを通じて簡単に入手できる。英国にもクレアモント・コルベット社など、専門店が複数存在する。

何か問題を抱えたら、クラシック・コルベット・クラブUKというサイトが心強い。オーナーだけでなく、購入を考えている人にとっても有用な情報源になるだろう。英語ではあるけれど。

シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)
シボレー・コルベット C3(1968〜1982年/北米仕様)

C3型でもボディパネルはFRP製だし、電気的なトラブルも少なくない。だが、基本的なメカニズムの知識と道具があれば、多くの整備は自宅でも完了できる。

コレクターからの注目も高いコルベット C3だが、英国の中古車市場には走り込まれた後期型のTトップから、ショールーム・コンディションの前期型まで、様々なクルマが流通している。価格の幅も広い。

欧州本土にも、多くのC3が生き残っている。英国の場合は、アメリカから輸入するよりコストは抑えられるし、リスクが少ないというメリットがある。

もし前向きに考えているなら、見た目には惑わされない方が良い。スチール製フレームが錆びている可能性がある。詳しく状態を判断するには、入念な調査が欠かせない。ちなみに、スティングレイというエンブレムは1976年以降のモデルには付いていない。

「焦ってはいけません。走らない、真っ赤なコルベットを買うことになり得ます」。とは、コルベットの専門書の言葉だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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