231psのシングルモーター版登場 ボルボXC40 リチャージへ試乗 動力性能に不満なし

公開 : 2022.08.26 08:25

訴求力あるスタイリング 見劣りする航続距離

日常的な条件なら、XC40 リチャージでも走りは充分以上。高速道路への進入路では、あっという間に110km/hに届いてみせた。ツインモーターの過剰といえるパワーが必要だとは感じさせない。

乗り心地も基本的には変わりない。サスペンションが柔らかく、比較的揺れが大きい。

ボルボXC40 リチャージ・プラス(英国仕様)
ボルボXC40 リチャージ・プラス(英国仕様)

航続距離は、近年の同価格帯で比べると若干見劣りする。アグレッシブに運転していなくてもエネルギー効率は伸びにくいようで、メーター用モニターに表示される数字は、320km程度に留まっていた。

コンパクト・クロスオーバーの主なユーザーにとって、普段使いなら不足ない距離とはいえる。だが長期休暇の帰省時などは、少々心もとないはず。

姉妹メディアが別の機会に検証した結果によると、理想的な気候条件での航続距離は約363kmだった。気温の低い冬場なら、更に短くなると考えられる。

積極的に電動化技術を取り入れてきたボルボではあるが、市場をリードできるほどのBEVはまだラインナップできていない。ゲームチェンジャーといえる実力を備えるのは、新しいXC90まで待つ必要がありそうだ。

とはいえ、XC40 リチャージのスタイリングには訴求力がある。BEVで長距離走行を考えていないのなら、候補に加えたいクロスオーバーだとはいえるだろう。

ボルボXC40 リチャージ・プラス(英国仕様)のスペック

英国価格:5万1750ポンド(約853万円)
全長:4425mm
全幅:1863mm
全高:1652mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:423km
電費:5.3km/kW
CO2排出量:−
車両重量:1955kg
パワートレイン:永久励磁同期モーター
バッテリー:67.0kWhリチウムイオン(実容量)
急速充電能力:−
最高出力:231ps
最大トルク:33.6kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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