日産ジュークNISMO RS

公開 : 2014.08.13 23:50  更新 : 2021.03.05 18:51

■どんなクルマ?

ジュークNISMO RS。モデル名からわかるとおり、このクルマはジュークのさらにハイ・パフォーマンスなジュークNISMOモの、これまたさらにハイ・パフォーマンスなモデルとなる。

カナダで取材したモデルは、正式なフェイスリフトが行われる前の、いわばプレ・フェイスリフト版。日産のパフォーマンス部門が手を加えたエンジンは、1.6ℓの4気筒ターボ、気になる出力は215ps、最大トルクは29.0kg-mだ。ジュークNISMOからはそれぞれ+18ps、3.6kg-mの増強となっている。

パワーアップ施すために、様々な部分が改めなおされた。その最たる例がECUのチューン、排気系の直径拡大、強化コネクティング・ロッドへの変更などだ。

その他にもギア比をショートにしたり、強化クラッチや軽量フライホイールを組み合わせたりと、細部にも抜かりはない。なかでも読者のいちばんの注目ポイントは、やはりLSDが投入されたことではないだろうか。

車高は標準のニスモから下げられたりはしていないけれど、スプリングとダンパーのレートはわずかに高められる。また電子制御のパワー・ステアリングも、スポーティーな演出を目標にわずかにチューンしなおされている。

ブレーキに関しては、真っ赤なキャリパーが採用され、フロント・ディスク径がNISMOがφ297であったのに対して、RSはφ320に拡大。同時にリアの径も大きくなっている。ブレーキ・パッドの素材までもがRS用に改められたという。

ボディの形状はRSのバッヂが貼られた事以外に大きな変化はないけれど、バンパーとグリルがRS専用品となっているため、ダウンフォースはトータルで37%改善されたそうだ。

レカロのバケット・シートを採用した点が、内装でもっとも目を引くポイントだろう。このシートも例に漏れず、座り心地とサポート性に優れるのだ。

RSは、ノーマルのジュークよりも車高は低いのだが、ホットハッチの平均と比較するとまだまだ高い。そんなこのクルマが、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。これから見ていくことにしよう。

■どんな感じ?

路上では、まさに背の高いホットハッチと言うのがぴったりな動きを見せる。低速では1速から3速までのショートになったギア・レシオを体感できるが、タイムとして現れるほどのものではないのは残念だ。

低速では、LSDが僅かながらにトルクステアを誘発する感覚を伴ったが、さらにそれよりも速度を増していけば適切に仕事をしていることが伺えた。

6速のギアボックスの操作感ははっきりとしていて、楽しくシフト・チェンジを行えた。クラッチは軽く、ペダルも小ぶりだが、どの辺りでクラッチが繋がるかを見極めること自体は簡単だ。

ブレーキのフィーリングはとても良く、非常に扱いやすい。大径化されたディスクや新しいパッドのおかげで、かなり自信をもってブレーキングができるはずだ。

■「買い」か?

クロスオーバーとしてのジューク、そしてホットハッチとしてのジュークがとてもよくバランスしている。視界もよく最低地上高もきちんと確保しているので、使い勝手という面では。このクルマのアドバンテージになることは間違いない。

ただし一般的なホットハッチに比べて背が高いということは、この手のクルマにもっとも大事な運動性能が劣るということを意味する。来年の初旬にヨーロッパに到着するときには、ホットハッチに比肩するほどにレベル・アップしていることを望む。

(ブライアン・マクセ)

日産ジュークNISMO RS

価格 £23,000(395万円)
最高速度 210km/h
0-100km/h加速 7.0秒
燃費 13.8km/ℓ
CO2排出量 NA
乾燥重量 1308kg
エンジン 直列4気筒1618ccターボ
最高出力 215ps/6000rpm
最大トルク 29.0kg-m/3600-4800rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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