メルセデスAMG S63 S Eパフォーマンス世界初公開 パワートレイン/内装/外装/スペックを解説

公開 : 2022.12.06 08:01

メルセデスAMG S63 S Eパフォーマンスが世界初公開。洗練度合がさらに増した妥協なきAMGの「S」を解説します。

妥協を許さぬ最上級モデル

新型メルセデスAMG S63 Sの概要が明らかになった。

AMGにとってSクラスは最上級モデルであると同時に最重要モデルといっていい。

メルセデスAMG S63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG S63 S Eパフォーマンス    メルセデスAMG

なにしろ、排気量を6.8Lに拡大したメルセデス・ベンツ300 SEL 6.8 AMGを1971年スパ24時間レースに投入し、ここで総合2位とクラス優勝を勝ち取ったことが、現在までに至るAMGの名声を確立するきっかけになったのである。その意味でSクラスはAMGにとって原点といっていいモデルなのだ。

「Sクラスはわたし達AMGにとってもっとも重要なモデルです」

メルセデスAMG Sクラスのプロダクトマネージャーはそう語り始めた。

「そして、Sクラスのお客さまは常に最上級のものをお求めになります。したがってわたし達も一切の妥協を廃して新型Sクラスを開発しました」

その象徴といっていいのが、SAEレベル3自動運転システムのドライブ・パイロットだ。

メルセデスは「通常」のSクラスならびにEQSのオプションとして、ドイツ国内では2022年5月17日よりドライブ・パイロットを設定しているが、これがAMG Sクラスにも用意されたのだ。

「メルセデスSクラスに設定されている安全装備は、すべてAMG Sクラスにもオーダーできます。なぜなら、AMG Sクラスに妥協は許されないからです」 前出のプロダクトマネジャーはそう語ると胸を張った(なお、ドライブ・パイロットの日本導入時期などは未定)。

外装 「伝統」から「最新」へ

ドライブ・パイロットが装備された新型AMG Sクラスはフロントグリル内にLiDARを装備しているほか、ルーフ後端に各種信号を受信するアンテナをカバーするための、四角い突起が設けられている。

メルセデスAMG S63 Sが妥協を廃したのは安全装備面だけではない。

メルセデスAMG S63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG S63 S Eパフォーマンス    メルセデスAMG

たとえば4シーターもしくは4+1シーター仕様では後席にシャンパンなどを冷やすための冷蔵庫が設定可能だが、これは基本的にメルセデス・マイバッハと共通のもの。

つまり、安全面では通常のSクラスと、そして豪華装備面ではメルセデス・マイバッハと肩を並べるのが新型メルセデスAMG S63 Sなのである。

ただし、その佇まいは、いかにもAMGらしくスポーティ。そのフロント・デザインの特徴を、前出のプロダクトマネジャー氏が説明してくれた。

「新型メルセデスAMG Sクラスはスタンディングスターを装備していません。これはSクラスにとって初めてのことです」

スタンディングスターとは、フロントグリル上に屹立したスリーポインテッドスター・マスコットのこと。

新しいAMG Sクラスでは、AMGモデルではお馴染みのアフェルターバッハ・ロゴがその代わりに添えられている。

また、いわゆるクーペグリル(メルセデスAMGでは「セントラルスター・デザイン」と呼んでいる模様)がSクラス・サルーンに採用されているのも、新型が初めて。

いずれにせよ、メルセデスSクラスの伝統に従うよりも、メルセデスAMGのデザイン言語に統一されたという印象を強く感じさせるエクステリアだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。

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