2024年仕様は後輪駆動へ ボルボC40 リチャージへ試乗 67.0kWh 伸ばしたい航続距離

公開 : 2023.01.16 08:25  更新 : 2023.03.13 10:52

北欧らしいデザインテーマのインテリア

C40の加速は滑らか。アクセルペダルの操作に対して過敏さを感じることはなく、231psを一手に引き受けるフロントタイヤが身悶え、トラクション・コントロールが介入することもない。トルクステアも殆ど感取されない。

市街地でも運転しやすく、走りの個性にはすぐに馴染めるはず。英国郊外の最高速度、97km/h近いスピードからの追い越し加速でも充分な鋭さがある。低速域での回生ブレーキの効きやペダルの感触は若干一貫性に欠けるものの、基本的にスムーズに運転できる。

ボルボC40 リチャージ・プラス(英国仕様)
ボルボC40 リチャージ・プラス(英国仕様)

優れたグリップ力や操縦性、姿勢制御などが相乗し、ボルボらしい熟成された走り味を生んでいる。乗り心地も良好で、上下動はなだめられしなやか。19インチホイールからは、やや大きめのロードノイズが響いていた。

インテリアは素材の質感が高く、デジタル技術との調和も好ましい。シンプルで扱いやすいという、北欧らしいデザインテーマが貫かれている。

間接照明が仕込まれた化粧パネルは、スウェーデンのアビスコ国立公園にインスパイアされたものだとか。筆者は気に入った。

車内空間は、リアシート側がクラス平均を少し下回る広さ。それでも、小柄な大人なら問題ないはず。

フロント側は、高身長のドライバーの場合、ルーフが低いためバックミラーが前方視界に掛かってしまう。フロアにフックが付いた荷室は、クラスとして妥当な大きさだ。

一緒に暮らしやすいBEVのコンパクトSUV

普段の足として活躍してくれるであろう、ボルボC40 リチャージ。世間の注目を集めることはなく、運転が楽しいともいえないが、一緒に暮らしやすいBEVのコンパクトSUVだといえる。

惜しまれるのが、英国価格に対して物足りない航続距離。後輪駆動になる2024年仕様では僅かに改善されるそうだから、その伸びしろへ期待したいところだ。

ボルボC40 リチャージ・プラス(英国仕様)
ボルボC40 リチャージ・プラス(英国仕様)

ボルボC40 リチャージ・プラス(英国仕様)のスペック

英国価格:5万3100ポンド(約849万円)
全長:4431mm
全幅:1850mm
全高:1582mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.4秒
航続距離:434km
電費:4.9-5.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1970kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:67.0kWh
急速充電能力:150kW(DC)
最高出力:231ps
最大トルク:33.5kg-m
ギアボックス:−

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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