表情一新? ルノー・クリオ(ルーテシア)に大幅改良 排ガス規制に対応か

公開 : 2023.04.06 06:25

ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)の改良新型と思われるプロトタイプが欧州で目撃されました。Bセグメントのライバルが撤退する中、魅力をさらに高めていくと予想されます。

デザイン一新 内装の質感向上も?

ルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)の改良新型のプロトタイプが欧州で目撃された。

カモフラージュで隠されているが、スタイリングが根本的に見直され、よりシャープなフロントエンドを採用している。また、スリムなLEDヘッドライトが大型デイタイムランニングライトの上に配置されるようだ。

欧州で目撃されたルノー・クリオのプロトタイプ
欧州で目撃されたルノー・クリオのプロトタイプ    AUTOCAR

リアエンドでは、ブレーキランプのデザインが変更され、バンパーも張りのある形状となっている。ボディから突き出た長いマフラーも確認できるが、これはガソリンエンジンの改良に伴うエアフローテストと思われる。

エンジンは、次期排出ガス規制であるユーロ7に適合させることを目標にしたアップグレードが予想される。そのためパフォーマンスは向上せず、パワーとトルクがわずかに低下する可能性がある。

インテリアは、ダッシュボードやドアにソフトタッチ素材を採用するなど、質感の向上が期待される。また、一部のモデルにのみ採用されている9.3インチのインフォテインメント・タッチスクリーンが標準装備となる可能性もある。

新しい欧州安全基準「GSR2」に対応するため、より高度な運転支援システムが標準装備される見込みだ。GSR2ではドライバーの眠気検出、レーンキーピングアシスト、制限速度警告機能などの搭載が義務付けられており、2024年までに欧州で販売されるすべての新車が同基準を満たす必要がある。

ユーロ7とGSR2に対応するために必要な改良を考えると、少なくとも欧州での販売価格は大幅に上昇すると予想される。ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは以前、ユーロ7に対応するための技術的コストにより、新車の販売価格が2000ユーロ(約28万円)上昇する可能性があると指摘している。

こうした規制の強化や、SUVを好む消費者の嗜好変化といった市場環境により、欧州ではBセグメント以下の小型車が徐々に姿を消しつつある。フォルクスワーゲン・ポロも値上げを迫られ、フォードフィエスタは年内の販売終了がアナウンスされている。

長期的に小型車の生産を続ける方針を明示しているメーカーは、ほとんどない。欧州市場(および法律)は、より収益性の高いSUVをますます好むようになっているからだ。

今回の改良により、ルノー・クリオは規制対応と競争力の向上を図り、厳しい欧州市場を生き抜こうとしている。改良新型は年内にデビューする見込みだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ルノー ルーテシアの人気画像