ルノー新型『クリオ(ルーテシア)』 6代目は大胆にデザイン刷新、ボディ大型化

公開 : 2025.09.09 17:45

ルノーは6代目となる新型『クリオ(日本名:ルーテシア)』を発表しました。運転の楽しさを追求しつつ、環境規制に対応したガソリン車とハイブリッドを展開。欧州では年内に受注開始予定ですが、英国では2027年発売です。

アグレッシブな外観へ

ルノーは、ドイツで開幕したミュンヘン・モーターショーで新型ハッチバック『クリオ(日本名:ルーテシア)』を発表した。約6年ぶりの大幅なデザイン刷新を遂げ、6代目へと生まれ変わった。

新型は昨年公開のコンセプトカー『エンブレム』を強く意識した、アグレッシブなデザインを採用している。特にフロント部分の影響が顕著で、角張ったノーズと新グリルを挟むようにして、ダイヤモンド形状のデイタイムランニングライトが配置されている。

ミュンヘン・モーターショーで発表されたルノー・クリオ
ミュンヘン・モーターショーで発表されたルノー・クリオ    AUTOCAR

ボディは現行モデルより大型化している。全長4.12m(67mm増)、全幅1.77m(39mm増)、全高1.45m(11mm増)で、フォルクスワーゲン・ゴルフなどのCセグメント・ハッチバックに近いサイズとなった。

関係者によれば、このサイズアップは将来の排出ガス規制に対応した大型・高機能エンジンの搭載と、衝突安全性能向上の必要性によるものだという。

しかし、ルノーのA・Bセグメントのデザインディレクターを務めるポーラ・ファブレガット=アンドリュー氏は、新しい技術と生産手法を活用し「史上最も魅力的なクリオ」を作り出すことが全体的な狙いだと述べている。

例えば、フロントとリアのライト周辺に強調されたくぼみ、アーモンド形に成形された側面といったディテールを施した。また、トランクの先端を高くしてスポイラーを形成。ルーフに取り付けられたリップと合わせて、ツインデッキ構造としている。

運転の楽しさを追求

インテリアでは、最新のルノー4や5と同じ10.1インチのインフォテインメント・ディスプレイとインストゥルメント・ディスプレイを装備する。中間グレードの『テクノ』と最上級グレードの『エスプリ・アルピーヌ』では、ルノー独自のソフトウェア『OpenR Link』を搭載し、グーグルマップやグーグルプレイ(アプリストア)などのサービスが利用可能となる。一方、ステアリングホイールはSUVのラファールから流用されたものだ。

トランク容量は現行モデルと同等の最大391Lで、上位モデルのゴルフ(381L)を上回る。

ミュンヘン・モーターショーで発表されたルノー・クリオ
ミュンヘン・モーターショーで発表されたルノー・クリオ    AUTOCAR

プラットフォームは現行と同じCMF-Bを採用したが、ルノーは運転の楽しさを向上させたとしている。車重は比較的軽量で、ガソリンエンジン搭載車で1155kgだ。ステアリングラックもクイックになり、ロック・トゥ・ロックは従来の3.3回転から2.6回転に短縮。トレッド幅も拡大されている。

英国では2種類のパワートレインが提供され、いずれも現行クリオから発展させたものだ。

エントリーモデルの1.2Lターボチャージャー付き3気筒エンジンは6速マニュアル・トランスミッションと組み合わされ、最高出力は従来の89psから115psへ、最大トルクは16.3kg-mから19.3kg-mに向上した。

これにより、0-100km/h加速タイムは10.1秒と、従来比2.1秒の短縮となった。燃費とCO2排出量も、メーカー公称値では以前より改善されている。

ハイブリッドモデルは引き続き2基の電気モーターと4速オートマチック・トランスミッションを使用するが、4気筒ガソリンエンジンは1.6Lから1.8Lに、バッテリーは1.2kWhから1.4kWhに大型化された。

これらの変更により、最高出力は160psに向上し、0-100km/h加速タイムは1秒短縮の8.3秒を達成。ルノーによれば、市街地走行時の80%をモーターのみで走行可能だという。燃費は25.5km/l、CO2排出量は89g/kmとされている。

新型クリオは、欧州市場では年内に受注開始予定とされているが、規制対応と右ハンドル仕様の開発といった理由から、英国での販売開始は2027年になるようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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