ルノー新型『クリオ(ルーテシア)』9月公開へ 第6世代は全車ハイブリッドに

公開 : 2025.07.29 07:45

ルノーは小型ハッチバック『クリオ』の新型を9月に発表する見通しです。新しいデザイン要素を採用し、自然吸気エンジンと電気モーターによるEテック・ハイブリッドを全車標準とします。EV化の予定はないようです。

ベストセラー車、まもなくフルモデルチェンジ

ルノーは、6代目となる新型『クリオ(日本名:ルーテシア)』を間もなく発表することを明らかにした。具体的な時期は未確認だが、9月8日に開催されるミュンヘン・モーターショーでデビューする可能性が高い。

クリオは人気の高いコンパクトハッチバックで、現行の5代目モデルは欧州市場でベストセラー車となっている。フルモデルチェンジを経て、新型は来年初めに発売される予定だ。

現行型ルノー・クリオ(5代目)
現行型ルノー・クリオ(5代目)

ルノーは近年、欧州のモーターショーで、5、4、トゥインゴ、ターボ3E、セニック、メガーヌEテックなど、主要な新モデルを次々と発表してきた。

新型クリオでは純ガソリンエンジン車が廃止され、全車ハイブリッドとなる予定だ。

プロトタイプの目撃情報から、突き出たノーズや2段構造のリアスポイラーなど、数多くの新しいデザイン要素が採用されるようだ。

情報によると、2019年に発売された現行モデルを改良したものではなく、まったく新しいモデルになるという。ただし、効率性向上とコスト削減のため、従来のCMF-Bプラットフォームのアップグレード版が採用される可能性が高い。

パワートレインは、自然吸気4気筒ガソリンエンジンと2基の電気モーターを組み合わせ、合計出力145psと最大トルク21kg-mを発生する、既存のEテック・ハイブリッドを発展させたものとなるだろう。

ハイブリッド限定となるのは、欧州連合(EU)全域で導入される厳しい排出ガス規制の影響が大きい。来年から、EU圏内で販売される新車は、CO2排出量の平均値を今年の95g/kmから93.6g/kmまで削減することが義務付けられる。

現行型クリオTCe 90に搭載される3気筒ターボエンジンのように、電気アシストのないパワートレインはCO2排出量が多いことから、メーカーとしては廃止に動かざるを得ない。

参考までに、TCe 90のCO2排出量は120g/kmであるのに対し、Eテック・ハイブリッドは96g/kmと、約20%削減できる。

EUの車種平均排出量目標は今後さらに厳格化し、2030年には49.5g/kmに達する予定であるため、これは極めて重要だ。

しかし、AUTOCARが取材で得た情報では、ルノーは新型クリオにバッテリーEVモデルを導入しない方針を固めたようだ。

したがって、ゼロ・エミッション車 (ZEV) 規制により、英国では販売されない可能性がある。

環境への影響だけでなく、コストも非常に重要視されている。

ルノーの製品パフォーマンス責任者であるブルーノ・ヴァネル氏は以前取材で、「EVに100%直接移行するつもりはありません。手頃な価格のブランドであり続けるため、ハイブリッド車による移行を段階的に進めていきます」と述べていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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