【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #22】1975年ポルシェ911ターボ「新たなフラッグシップ・ロードカー」

公開 : 2026.07.04 09:11

世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。土日祝日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#22は『1975年ポルシェ911ターボ』です。

1975年ポルシェ911ターボ

ポルシェは新たなフラッグシップ・ロードカーとなる911ターボを、1974年10月のパリ・モーターショーで発表し、1975年3月に発売した。

北米のカンナム・シリーズを席巻したレーシングマシンのポルシェ917/10と917/30で確立したターボチャージャーのテクノロジーを、市販車に投入したモデルとなる。市販ターボ車としてはBMW2002ターボに続くものとなったが、そのインパクトは別格で世界中から注目された。

ポルシェ911ターボは1974年10月のパリ・モーターショーで発表された。
ポルシェ911ターボは1974年10月のパリ・モーターショーで発表された。    ポルシェ

3.0リッター・フラット6エンジンにKKK製ターボチャージャーを組合わせるため、圧縮比は6.5:1に下げられ、0.8バールの過給により最高出力は260hpを発揮。0-100km/h加速5.4秒、最高速度260km/hという当時の最先端をゆくパフォーマンスを誇った。

トランスミッションは高出力のためあえて4速とされていた。

このような高い性能を50年前に確立していたことに、ポルシェの技術力の高さが理解できる。

コードネームは930型

ブレーキも卓越したパフォーマンスにふさわしい構成とされた。レーシングマシンの917から派生した強力なシステムが継承されたのである。4ピストン固定軽量合金製キャリパーが、量産車の911ターボに初めて採用されたことからも窺い知れる。

エクステリアもターボのパフォーマンスに対応する変更が行われた。大パワーに対応する太いタイヤを収めるため大きく張り出したリアフェンダーにより全幅は120mm拡大された1775mmとなった。

1976年モデルからブースト圧が1.0bar.に高められた。
1976年モデルからブースト圧が1.0bar.に高められた。    ポルシェ

リアリッドにはブラックのワイドなハードラバーボーダー付の独特なリアスポイラーが備わり、グラスファイバー強化プラスティックで作られていた。このホエールテール・タイプの巨大なリアウイングは、ターボを象徴するアイテムとなっていく。

年次変化としては、1976年モデルからブースト圧が1.0bar.に高められ、ボディ同色ヘッドライトリングとブラックのウインドーモール、ボディ同色ドアミラーが電動調整式になった。このほかリアホイールアーチの前部にはブラックのストーンガード・フィルムが装着されている。

なお911ターボのコードネームは930型とされ、マニアの間では930ターボと呼ばれた。また911のベースモデルは、この時点ではまだ901系ファミリーに属していた。

空冷水平対向6気筒 2993cc ●260hp ●250km/h

(当連載は、基本的に土日祝日の午前9時11分に公開しています)

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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