メルセデス・ベンツAクラス 詳細データテスト 電動化の恩恵は大 速さも燃費も向上 静粛性は要改善

公開 : 2023.06.03 20:25  更新 : 2023.06.09 13:27

マイナーチェンジ前後ともテストするのはレアケースでも、改良型Aクラスのマイルドハイブリッド化には試すに値する進歩がありました。これでプレミアムな価格に見合う静粛性を備えていれば、さらなる高評価が望めたのですが。

はじめに

ここ数年の英国市場において、プレミアムブランドには悩みがあった。メルセデスの浮沈は、それをよく物語っている。

パンデミック以前には7.5%あった新車市場でのシェアは、2022年には5%ちょっとまで落ち込んだ。購買層が、よりフレッシュでトラディッショナルではないブランドへ移行したのが原因だ。競合メーカーの販売状況も似たようなものだ。しかし、少なくとも英国では、BMWアウディの落ち込み幅はメルセデスほどではない。

テスト車:メルセデス・ベンツA200 AMGライン・エグゼクティブ
テスト車:メルセデス・ベンツA200 AMGライン・エグゼクティブ    MAX EDLESTON

そんな中、メルセデスは立て直しを図るための頼もしいカードを切ってきた。コンパクトプレミアムハッチバックの現行Aクラスは2018年以来、英国の年間販売台数ベスト5から外れたのが1度のみという実績の持ち主だ。

プレミアムコンパクトクラスで、Aクラスより売れていたのは長らくミニだけだった。最近ではそこにテスラモデル3モデルYも加わったが、アウディやBMWに肩を並べるようなモデルはなかった。

そんなAクラスが、モデルライフ後半を迎えるにあたってマイナーチェンジを実施した。メカニカル面の改良や装備のアップグレード、わずかながらも明らかなスタイリング変更を受け、コンパクトカー購買層の大部分が、このクルマを候補に入れ続けることになるだろう。

とはいえ、パワートレインは一般的なガソリンとディーゼルの内燃エンジンが中心で、それにPHEVが加わるラインナップだ。今回は中間グレードのガソリン+マイルドハイブリッドを積む、A200をテストする。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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