若者のクルマ離れにブレーキ ラリー・フォー・ジ・エイジ 参加無料の公道イベント(1)

公開 : 2023.09.23 17:45

英国でも進む若者のクルマ離れ 多くのクラシックカー・イベントを主催するヒーローエラが新しいラリーを開催 英国編集部がその様子をレポート

出走メンバーが合計70歳以下なら参加OK

蛍光ペン片手に、ルートブックを読み込む若者たち。初めて見るような記号を、短時間で理解する必要がある。スマートフォン片手に、経験のある参加者へ相談するドライバーもいる。

グレートブリテン島の中南部に位置する、英国でのクラシックカーのメッカ、ビスター・ヘリテージには、賑やかなクルマが約90台集まった。駐車場にはブガッティ・タイプ35からフェラーリ308 GT4、サーブ900、トヨタセラまで多様な姿が並ぶ。

参加無料の公道イベント 2023年「ラリー・フォー・ジ・エイジ」の様子
参加無料の公道イベント 2023年「ラリー・フォー・ジ・エイジ」の様子

次世代の自動車愛好家を育成するべく、多くのクラシックカー・イベントを主催する団体、ヒーローエラによって2023年に初開催されたのが「ラリー・フォー・ジ・エイジ」。参加料無料という、太っ腹なラリー企画だ。

参加条件は、出走メンバーの年齢が合計70歳以下であることだけ。参加車両は年代毎にクラス分けされるが、大きな制限は設けられていない。コースは総長154km。そこにはジムカーナのようなテストセクションと、4つのメインセクションが含まれる。

エンジンオイルやラジエター液などが漏れた時に用いるスピルキットと、消化器や救急箱を車両へ積むことが推奨されたものの、基本的にはなくても出場可能。車検でも、ヘッドライトやクラクション、バッテリーなどの状態が簡単に確認される程度だ。

英国編集部からは、筆者も参加した。ホワイト・ゴールドに塗られたオペル・モンツァで。コ・ドライバーは、知人のハリー・マーティンに頼んだ。

参加車両は8クラスへ分別 正午にスタート

イベント前の車検では、無事に通過できるか若干の不安を毎回抱くが、結果はまったく問題なし。排気音の音量も78dBと基準値以下だった。もちろん、必要な安全装備もしっかり積んでいる。

筆者のオペル・モンツァは、8クラスへ分けられた中の7クラス目に該当。出走前、ルートブックを見ながらシミュレーションする時間は充分にあった。

参加無料の公道イベント 2023年「ラリー・フォー・ジ・エイジ」の様子
参加無料の公道イベント 2023年「ラリー・フォー・ジ・エイジ」の様子

戦前クラスに該当する最初のクルマが、正午に出発。続いて1950年式から1969年式のクラスと、1970年式から1980年式のクラスが、次々にスタートを切っていく。2000ccを基準に、それぞれクラスがさらに2つへ分かれている。

続いて、1800ccを基準に2クラスへ別れた、1981年式から1990年式の車両がスタート。最終グループは、それ以外にカウントされたクルマだ。オースチン・ヒーレーやトライアンフが、轟音を放ちながらダッシュしていく。

6クラス分の車両を見送り、われわれの番。モンツァのオートマティックを1速へ固定し、最初はパイロンで区切られたテストセクションへ。ダイレクトなレスポンスに感心しつつ、8の字ターンではLSDをロックさせるも、アンダーステアを抑えきれない。

次の高速コースは、ビスター・ヘリテージに敷設された小さなサーキットを周回。最終コーナーの手前で、指定ラインへピタリと合わせるブレーキングに挑む。

記事に関わった人々

  • アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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