若者のクルマ離れにブレーキ ラリー・フォー・ジ・エイジ 参加無料の公道イベント(1)

公開 : 2023.09.23 17:45

時間と速度制限があるメインセクション

ウォームアップ的なテストセクションを終え、いよいよ本番。1本目のメインセクションは、最初の1分間を35km/h、次の5分は45km/h、更に40km/hで3分走ることが課題。

コ・ドライバーのハリーは、ルートブックを確認しながら「右側に石像のライオン」「左側に畑の入り口」と、コース上の目印を読み上げる。道端には白い看板が何本か立っていて、タイムカードへ記された内容をメモする必要もある。

英国編集部、アーロン・マッケイのオペル・モンツァも快走
英国編集部、アーロン・マッケイのオペル・モンツァも快走

2人とも、処理すべきタスクに追われる。だが慣れてくると、心地良いリズムが生まれてくる。途中、ミスコースすることはなかった。

北西に進みノーサンプトンシャー州へ。指定時間内に走るため、スマートフォンのアプリを活用する。2本目のメインセクションは10.9km。途中、5段階の速度制限が設けられ、緊張感を高めてある。

次は17.7km/h。25分での走破を求められるが、交差点が多く痛恨のミスコース。しかしすぐに気付き、タイマーをリセットしながら本来の道へ。失った時間を、スピードを調整しながら取り戻さなければならない。

ペースを上げながら、マーシャルが待つチェックポイントを通過。途中のパブでは休憩時間が設けられ、冷たい飲み物を口にしながら、他の参加者と交流できた。体力的にも精神的にも疲れが表れ始めていたが、少し回復できたようだった。

シルバーストン・サーキットへ近づき、4番目のメインセクションは12.9km。これも無事にクリアし、最終セクションのためビスター・ヘリテージの駐車場へ戻る。クラス毎に車列を組みながら。

想像以上の充足感に笑顔が止まらない

筆者のモンツァは、とても活発に走ってくれた。だが、低速域での身のこなしが若干ダルく感じられたことも事実だ。

ビスター・ヘリテージへ着いた頃には、最初にスタートしたクラスの車両は既にクールダウン中。参加者が集まり、今回のセクションについて楽しそうに話している。筆者も最初はどうなるか不安だったが、想像以上の充足感に笑顔が止まらない。

参加無料の公道イベント 2023年「ラリー・フォー・ジ・エイジ」の様子
参加無料の公道イベント 2023年「ラリー・フォー・ジ・エイジ」の様子

全員が戻ったところで順位発表。優勝は、1985年式フォルクスワーゲン・ゴルフGTIで参加したジョン・ハーベイ氏とジャック・ハーベイ氏親子。僅か26秒という、ペナルティタイムでクリアしたという。

2位がBMW 325iを駆ったジョナサン・シェパード氏とイモージェン・シェパード氏親子。肝心の筆者は、4分42秒のペナルティタイムをいただき、87台中40位。41位のオースチン・ヒーレー・スプライトには、1秒差で勝った。

参加者の反応が素晴らしかったことは明らかで、既にヒーローエラは2024年の開催を計画しているという。実際、出走したメンバーの多くが来年も挑みたいと話していた。更に個性的なクラシックカーが集まるであろうことは、想像に難くない。

参加無料のラリーイベント(2)と(3)では、今回の参加チームと車両の一部をご紹介しよう。

協力:ヒーローエラ

記事に関わった人々

  • アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ラリー・フォー・ジ・エイジ 参加無料の公道イベントの前後関係

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