走りながらクルマ充電 公道では国内初 EV走行中充電の実証実験スタート

公開 : 2023.12.04 11:20  更新 : 2023.12.04 12:28

システム構築も検証課題

走行中給電というと路面に敷きつめられた送電コイルを想像する方もいるだろうが、今回路面に埋められているのは、東京大学柏の葉キャンパス駅前サテライト付近の右折レーン内の2か所。

これは信号機の手前30mの範囲に全体走行時間の約25%の時間クルマが滞在したというデータをもとに、全ての信号の停止線手前に走行中ワイヤレス充電設備があればバッテリーの充電量は減少しないというシミュレーションからのもの。

交差点右折レーン内、2か所の路面にコイルを設置。
交差点右折レーン内、2か所の路面にコイルを設置。    近藤浩之

ちなみに道路側の送電コイルに常に電力を流していると無駄なエネルギーを使用することになるため、待機電力を極力小さくしながら車両検知を短時間で行いクルマがその上にある時だけに送電するという、新しい車両検知システムを開発した。

このシステムは電力を適切にコントロールすることでEVにもPHVにも使用できる。こちらも、走行中給電システムの標準化に向けて検証が行われる。

実証実験を経て走行中給電が実現すれば、走行中の充電が可能になるためバッテリー搭載量を少なく(コンパクト化)できる。その結果、車両重量が抑えられ、走行エネルギーの減少につながる。

また急速充電器などの充電施設の集中を減らし、電力系統への負担が平準化され家庭での充電設備も不要になるという。

今後はロアアームへのシステムの組み込みや、インホイールモーターとの組み合わせでさらなる効率化を図る構想なども視野に入れているそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    近藤浩之

    Hiroyuki Kondo

    某自動車雑誌を経てフリーに。2013年に(株)スカイピクチャー設立(とはいっても1人で活動)。仕事は写真/動画の撮影編集、たまに作文。対象はクルマを始め、建築/フード/人物など幅広いが、要は何でも屋の便利屋。苦手なことは、自分のプロフィールを自分で書くこと(要はこの文章)

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