三菱ミラージュ

すでにご承知のように、新型ミラージュは日本仕様もタイで生産される。しかも、これまであった2工場に隣接して、3つめの新工場を建設してつくるのだ。

品質管理システムその他は日本の岡崎工場と同等の最新モノを導入。同じくタイ製のマーチのボディが供給や品質管理などの理由から440MPaの高張力鋼板しか使わなかったのに対して、ミラージュは日本製とほとんど変わりない980MPaまで使う。ピックアップのトライトンやSUVのパジェロ・スポーツなどの三菱の国際戦略モデルもタイ製であり、新しい世界戦略コンパクトの生産もこうしてタイが拠点。掛け値なしに「三菱の主力生産拠点は遠からずタイになるのではないか?」という勢いといっていい。

ミラージュは実質的にコルトの後継として日欧にも導入されるが、同時にタイを中心としたアジア諸国でもベストセラーをねらう。いわば先進国と新興国の両方の要求をバランスさせた結論が、このボディサイズというわけである。

ミラージュは従来改良型の3気筒エンジン(ダイムラーに供給したスマート用が元祖)以外は、すべてゼロから開発された。非ハイブリッド登録車トップの低燃費が自慢だが、特別なハイテクは使われておらず、軽量化と空力、地道なフリクションロス低減と繊細な制御技術……という既存技術のブラッシュアップでそれを実現している。というわけで、アプローチ法としてはVWのup!によく似るが、より大きなサイズで装備も充実(リヤドアウインドウももちろんパワー開閉)しながら、日本仕様のup!より50kgも軽く仕上がっているのは素直に感心する。

ミラージュは動力性能も操縦性も特筆すべきところはないが、大きな欠点もない。質感も少なくともマーチより高い。サスは市街地志向の柔らかさでタイヤもショボイが、意地悪に振り回しても危険な挙動になることはまずない。室内空間もこのサイズでは広いほうだ。ミラージュの開発スタートにあたっては「世界初はいらない。スポーティでなくていい。素直に使いやすいクルマをつくれ!」と、まずは三菱エンジニアの心を入れ替える(?)ゲキが飛ばされたとか。

(文・佐野弘宗 写真・神村聖)

三菱ミラージュ

価格 118.8万円
0-100km/h na
最高速度 na
燃費(JC08モー ド) 27.2km/ℓ
CO2排出量 85g

車両重量 870kg
エンジン形式 直3DOHC、999cc
エンジン配置 フロント横置き
駆動方式 前輪駆動
最高出力 69ps/6000rpm
最大トルク 8.8kg-m/5000rpm
馬力荷重比 79.3ps/t
比出力 69.0ps/ℓ
圧縮比 10.5
変速機 CVT
全長 3710mm
全幅 1665mm
全高 1490mm
ホイールベース 2450mm
乗車定員 5名
燃料タンク容量 35ℓ
荷室容量 235ℓ
サスペンション (前)ストラット
(後)トーションビーム
ブレーキ (前)Vディスク
(後)ドラム
標準タイヤサイズ 165/65R14
 
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