クルマ漬けの毎日から

2022.06.18

ベルトーネがスタイリングを手掛け、1969年から1977年にかけて製造されたアルファ・ロメオGTVは、クロプリー編集長が大好きなクルマ。GTVで長距離ドライブした数日間は、今も鮮明に記憶に残っています。

【クロプリー編集長コラム】アルファ・ロメオGTVとの思い出

もくじ

友人 GTVを購入!
昔 長距離ドライブした時

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

友人 GTVを購入!

友人の1人が、かつて乗っていたアルファ・ロメオGTVを再び手に入れた。ベルトーネがボディを手掛けた1977年製のGTVだ。

GTVの誕生以来、私はこのクルマにずっと魅了されている。

製造から55年後に、そのスタイリングがこれほど「いいヤレ方」をしているモデルは、他には思い浮かばない。このすぐ後に登場したアルファでは、これほど上手くヤレていない。

友人は私に、彼のGTVを20分間運転させてくれた。

そこにはかつての幸せな思い出が、いまも存在していた。機械式の心地良いシフトチェンジ、レッドゾーンの5700rpmの手前で響き渡るエグゾーストノート、踏み心地は硬いが、コントロールしやすいブレーキペダルなど、当時の懐かしい感触が蘇ってきた。

昔 長距離ドライブした時

その昔、アルファGTVでオーストラリアの東海岸を長距離ドライブしたことがある。

往復4400mile(約7080km)の長旅だったが、この素晴らしいクルマを数日間にわたって運転できた喜びの他に、はっきりと記憶している出来事がもう1つある。

それは、ある人が私の鼻っ柱を折るような冗談を言ったことだ。

その人とは、旅の目的地のケアンズ(オーストラリア北東部クイーンズランド州の港湾都市)でたまたま知り合いになった。

私たち2人は座って海を眺めていた。私は長旅の末に目的地にたどり着いたことが嬉しく、ちょっとした達成感とともに海辺の空気を満喫していた。彼は地元の人なので、もしかしたら毎日そこに来ていたかもしれない。

「ところで、どこから来たのかね?」と彼は私に訊ねた。

彼の目は私と、それに少し離れたところに置いてあった黄色の派手なアルファ(画像)を交互に見ていた。「シドニーからです」と私は答えた。

だが、これを聞いて彼は、私が都会からやって来たことを鼻に掛けていると思ったようだ。そしてこう言った。「シドニーだって? あそこはパブが1軒しかない、田舎だろ?」

派手なアルファは、ケアンズの地元の人にあまり良い印象を与えなかったようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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