【心を打たれるほどの実力】メルセデスAMG GLE 53クーペ 435psのマイルドHV

公開 : 2019.12.20 10:50  更新 : 2019.12.26 11:42

高性能SUVクーペとなるAMG GLEクーペが2代目へと進化。ダイナミックな運動性能と安楽な高速クルージングに焦点を当て、一層の人気獲得を狙います。オーストリアで評価しました。

2代目GLEを構成する4トップ

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2代目へと進化したGLEクーペだが、高性能仕様のメルセデスAMG版も早々の発表となった。英国ではGLE 350dとGLE 400d、GLE 350deに加えて、AMG GLE 53もスターティングメンバーとして加わり、強力な4トップを構成する。

ライバルとなるのはアウディSQ8やBMW X6 M50i、ポルシェカイエンS クーペなど。先日ロサンゼルス・モーターショーで発表となったAMG GLE 63をフラッグシップに、フィールドを固める構えだ。

メルセデスAMG GLE 53 4マティック・クーペ
メルセデスAMG GLE 53 4マティック・クーペ

新しいGLE 53クーペは、先代よりクルマとしての焦点が絞られ、完成度が高められた印象がある。よりパワフルでレスポンスに優れたマイルド・ハイブリッドを搭載し、滑らかな9速ATが組み合わされている。

ステアリングホイールにはシフパドルが付き、4マティックと呼ばれる4輪駆動システムは、前後のタイヤ間でトルク配分を自在にコントロールが可能。最新版のエアサスペンション、AMGライドコントロールも装備する。

ボディには縦にルーバーが並ぶパンアメリカーナ・グリルを備え、専用デザインの前後バンパーにボンネットのパワードームなど、AMGらしいスタイリングにまとめられている。リアは、太い4本出しのマフラーカッターが、目立つディフューザーを挟む。

ホイールはAMG専用デザインの20インチが標準だが、ふんだんなオプションの1つとして21インチか22インチへインチアップもできる。

435psを生む3.0L直列6気筒ガソリン

車内にはAMG専用デザインのデジタルメーターと、ドライビングモードを選択できるロータリースイッチ付きの、AMGマルチファンクション・ステアリングホイールを装備。カーボンファイバー製のインテリアトリムや、ヘアライン仕上げのステンレス製ペダルやサイドシル・カバーが気持ちを高めてくれる。

SUVらしく運転席は高い位置にあり、スポーティさは薄い。シートやステアリングホイールの位置の調整幅は大きく、自分に丁度いいドライビングポジションを取れる。

メルセデスAMG GLE 53 4マティック・クーペ
メルセデスAMG GLE 53 4マティック・クーペ

ゆったりとしたフロントシートはサイドサポートもしっかりしていて快適。リアシートはサイズがやや小さく、サポート性も良いとは感じられなかった。

ベースとなっているGLEクーペと同様、GLE 53クーペも新しいプラットフォームを骨格としている。ホイールベースは標準のGLEより62mm短いが、GLE 43クーペと比較すると、53クーペの方が19mm長い。

安定性を高めるため、トレッド幅も広げられている。フロントは53mm増しの1681mmで、リアは92mm増しの1720mmだ。先代よりもかなり四方にタイヤが踏ん張ったスタンスを取っている。

GLE 53クーペは、2018年に発表されたCLS 53と同じ、AMG製マイルド・ハイブリッドを搭載。3.0Lの直列6気筒ガソリン・ターボエンジンは435psと52.9kg-mを発生する。スターター・ジェネレーターが21psと25.3kg-mを、加速時などに短時間加勢してくれる。

ちなみに先代のGLE 43の場合、367psと52.9kg-mを発生する3.0L V6エンジンを搭載。7速ATと4マティックの組合せだった。

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