スターメー賞 ディーゼルのNOx問題を解決した研究者 AUTOCARアワード2018

公開 : 2018.05.26 15:40

AUTOCAR創設者で編集長でもあったヘンリー・スターメーの名を冠する賞は、ディーゼルのNOx問題を解決する発明をしたふたりの研究者に贈られました。ACCTというこの新技術によって、アドブルーの弱点である低温時でもNOxを99%除去できるといいます。

もくじ

革新的な排ガス処理技術を発明
低温時にも効果を発揮
まもなく実車でのテストを開始
失敗から学ぶことも多い
ACCTの原理

革新的な排ガス処理技術を発明

「ロケット科学みたいに難しいことではありません」と革新的な排ガス処理ACCTの発明者であるジョナサン・ウィルソンはいう。現代のディーゼル・エンジンのNOxフリーを実現する画期的な技術である。

偶然だが、ロケット科学の弾道学研究所は立て込んだラフバラー大学のすぐ隣だ。この大学の地下にあるウォルフソン機械工学大学院で、ウィルソンと彼の共同研究者であるグラハム・ハーグレーブ教授は、ACCTを早く実用化すべく全力で取り組んでいる。

われわれAUTOCARは、世界を変えるかもしれないこの発見を2018年の栄誉あるスターメー・アワードに選定した。この名前は本誌の筆頭創立者で編集長だったヘンリー・スターメーに因んだものだ。彼は思い立った数日後にこの雑誌を創刊。世界最古の自動車雑誌となった。1895年のことである。

ACCTについて初めて彼らと議論したのはほんの数か月前だ。もっとも難しい状況においてもディーゼル排気中のNOxを無視しうるレベルにまで低減できるACCTの素晴らしい能力が明らかになって以来、開発メーカーやユーザーの関心は高まるばかりだ。

世界中の自動車・トラックメーカー、大手部品サプライヤー、トラック運営会社、それに自治体の交通局がウィルソンとハーグレーブに連絡してきた。企業、政府のお偉方の来訪も相次いでおり、ふたりは忙しくて対応に苦慮している状況である。

関連テーマ

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像