各年代の市販車最速は? 1900年〜2010年 ジャガーXK120 フェラーリF40 ほか

公開 : 2018.10.27 11:00  更新 : 2018.10.29 08:49

英国版AUTOCARのロードテスト90周年を祝う特別企画。各年代の市販車で最速モデルは何だったのか、自動車の黎明期といえる1900年代、メルセデスの117km/hから10年毎に振り返ります。2010年代の最速、ケーニグセグの447km/hという記録は、残り1年数ヶ月で破られるのでしょうか。

2018年、英国版AUTOCARはロードテストをスタートさせてから90周年の節目を迎えた。われわれは常に、クルマの持つ様々な面を判断し伝えるべく、厳しい評価を行ってきた。それには最高速度も含まれている。

1928年、昭和3年、FIA公認記録によれば、既に地上での最高速度は334km/hに達している。記録したのは米国のホワイト・トリプレックス号。30万年にも及ぶ人類史の中で、地上で最も速く移動した記録であり、ドライバーはそのスピードを体験した唯一の人間だった。ちなみに日本では、1925年にようやく国産初の乗用車オートモ号が完成した頃だ。

2018年の今なら、お金に余裕があるという条件付きだが、ベントレーのショールームでクルマを買って、1928年当時の最高速度を、誰でも体験することができる。ドライバーは労力を使うことなく、極めてラグジュアリーで信頼性や安全性も高いコンチネンタルGT W12を駆って、当時最速だった男を超えるスピードを出すことも、条件さえ許せば難しくはない。ここ90年で得た自動車の進化は、かなり大きなものだといえる。

近年になっても最高速度の更新は、止まることを知らない。今回は発売当時、予算が許せば誰でも購入することができた量産車での、最高速度の記録を振り返ってみたい。1900年から始まり、10年毎に追ってみよう。

1900年代:メルセデス・シンプレックス60HP(117km/h)

世界初の内燃機関(Internal Combustion Engines:ICE)は、非力で、信頼性も低かった。内燃機関で走行する世界初の自動車、ベンツ・パテント・モトールヴァーゲンが初めて走行した1885年から十数年間は、自動車の動力としても、専ら信頼性が高い蒸気機関が用いられている。1890年代の最も高速だった自動車も、アメリカのスタンレー自動車会社が生み出した蒸気機関を積んだクルマで、56km/hのスピードを出せた。ベンツといえば、16km/hがやっとだった。

しかし、内燃機関は急速に技術改良が進む。1903年に高級車として誕生したメルセデス・シンプレックス60HPは、9293ccの直列4気筒エンジンから、91psを発生。この強力なエンジンのおかげで、最高速度は117km/hに達する。さらに1904年、強力に改造された1台限りの特別仕様で156km/hを出し、自身の記録を破っている。

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