【マツダ初EV】MX-30 2020年後半欧州で発売 ロータリーをレンジエクステンダーに採用か

公開 : 2020.01.08 11:15  更新 : 2021.03.07 00:13

マツダ初のEVモデル、MX-30 EVが今年後半に欧州で発売されます。小型バッテリーを搭載するこのモデルは、製造過程でCO2を大量に排出する大型バッテリーモデルよりも、環境にやさしい「真の低CO2モデル」となると言われています。

「大型バッテリー」を載せたEVをつくらない理由

text:Hilton Holloway(ヒルトン・ホロウェイ)

マツダは、「大型バッテリー」を載せたEVを、つくることはないだろうと述べている。

ポルトガルで行われたEVモデルMX-30のテストドライブの際、マツダ・ヨーロッパの製品開発およびエンジニアリング責任者であるヨアヒム・クンツは、クルマの生産工程から廃棄までに排出されるCO2の量をその理由に挙げている。

マツダMX-30
マツダMX-30

クンツは、欧州グリッドの平均的なCO2排出量を使った日本の大学の研究によると、95kWhのバッテリーを搭載したEVは製造段階で多くのCOが排出されると指摘。

EVのバッテリーパックを16万kmで交換しなかったとしても、新しいマツダ・スカイアクティブ・ディーゼル・モデルのほうが、長い目で見てCO2排出量は少なく抑えられると述べている。

EVモデルは8万kmを過ぎたあたりで、やっと生産工程で排出したCO2排出量を相殺することができるからだ。

そのため、小型バッテリーを搭載したEVが環境的に理にかなっていると言う。

MX-30

MX-30の量産モデルは、ヨーロッパでは2020年後半に、英国では2021年初頭に3万4000ユーロ(400万円)で発売される予定だ。

バッテリーが小さく、重量も軽いため、多くの競合他社よりも航続距離が長い。

ライフタイムCO2排出量比較表
ライフタイムCO2排出量比較表

35kWhのバッテリー、最高出力143ps、最大トルク27kg-mの電気モーターを搭載し、航続距離は約210kmとなる。

リチウムイオン・バッテリーパックは、パナソニック社の日本製となる。

ヨーロッパの平均的なドライバーの1日あたりの走行距離は約56kmであることから、マツダはMX-30が大半のドライバーにとって十分な航続距離をもち、ライフタイムを通じて、真の「低CO2」モデルになるだろうと述べている。

将来のレンジ・エクステンダー・システム

クンツはAUTOCARに対し、低CO2モデルを望む長距離ドライバーのために、マツダは現在コンパクト・ロータリーエンジンを使用する新しいレンジ・エクステンダー・システムを開発していると語った。

このシステムの初期プロトタイプは、ポルトガルで開催されたMX-30テストドライブ・イベントで展示されていた。

ロータリーユニット
ロータリーユニット

クンツは、燃料タンクのサイズなどを定める将来の法規によって、パワーと航続距離などが絞られていくだろうとし、将来のロータリーエンジンに関する技術的な詳細を明らかにするのは、まだ早いと付け加えた。

マツダは、2011年にもブートフロアの下に取り付けられた小型ロータリーエンジンを使用したプロトタイプ2レンジ・エクステンダーを構築している。

マツダのエンジニアはまた、ガソリンモデルからの移行をスムーズに行えるよう、MX-30の電動モーターのトルク伝達を、EVの場合よりも熱伝導率が低くなるように調整している。

AUTOCARは、エンジンのローターハウジングの深さはわずか75mmで、エンジンは単一の点火プラグを使用し、ジェネレーターによって始動されるだろうと予想している。

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