A3やAクラスも良いけれど ボルボV40 放っておけない優秀ハッチバック UK中古車ガイド

公開 : 2024.02.04 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

実用的で快適なクルマとしてボルボを評価しているなら、V40にも感銘を受けるはず。平均的なボディサイズが故に、車内空間はクラスをリードしていないものの、完成度は高い。(2012年8月15日)

ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)
ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

ポール・カーペンター氏

「2019年に、2013年式のV40 D2を購入しました。走行距離は、購入時で20万kmを少し過ぎたところでしたが、現在は27万8000kmへ伸びています。期待を裏切らないクルマですね」

ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)
ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)

「Rデザイン仕様なので、装備は充実しています。ロンドン中心部のウルトラ・ローエミッション・ゾーン(ULEZ)の規制に対応していませんが、実際の燃費は23.0km/Lくらいで、新しいクルマに引けを取りません」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

2015年式より前のV40では、リアドアのロックが不調になる場合がある。電動フォールディングミラーが、動かなくなることも。

塗装の状態は、良く観察したい。フェイスリフトを受けた2016年式以降には、高性能なLEDヘッドライトが組まれている。

エンジン

ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)
ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)

D4に載る、2.0Lディーゼルエンジンの不調や燃費の悪化は、EGRバルブが原因のことがある。2万9000km毎か、1年毎の整備が英国では求められている。D2では更に短く、2万km毎か1年毎だ。

ディーゼルターボでもガソリンターボでも、タイミングベルトの交換履歴は予め確かめておきたい。

トランスミッションとブレーキ

前期型のV40では、フォード社製ATの冴えない変速マナーに批判が出た。その後、アイシン社製へ置き換わっている。後期型のV40では、6速MTのクラッチに不具合が生じがちだった。

ブレーキフルードは、2年毎の交換が前提。過去の履歴を確かめたい。

ホイール

Rデザイン用のダイヤモンドカット・ホイールは、表面のクリア層が剥がれやすい。綺麗にするには、小さくない費用を要する。

インテリアと電気系統

走行中の振動で、センターコンソールがカタカタ鳴る場合がある。ディーラーで直せる。後方視界は余り良くないため、パーキングセンサーやバックカメラが役に立つ。

知っておくべきこと

英国仕様のV40には、驚くほど多様なエンジンとトリムグレードの組み合わせが提供された。しかし、ディーゼルエンジンには「D」、ガソリンエンジンには「T」のアルファベットが付くことは共通する。

特徴的なユニットとしては、2015年式以前に2.0L直列5気筒ディーゼルのD3とD4が存在している。それ以降は2.0L 4気筒ディーゼルへ置換された。提供期間は短かったものの、2.5L直列5気筒ガソリンターボも選べた。

ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)
ボルボV40(2代目/2012〜2019年/英国仕様)

2015年以前のディーゼルエンジンは、環境規制のユーロ5へ準拠する。現在の欧州の都市部で施行される、ULEZには対応していない。

発売当初のトリムグレードは、エントリーのESから始まり、SE、SEルクス、Rデザインの4段階が英国では提供された。Rデザインはスポーツシートと専用ボディキットをまとい、高い人気を誇っている。

2015年以降は、モメンタムとインスクリプション、Rデザインの3段階へ絞られた。

記事に関わった人々

  • ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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