16インチ・アロイ・ホイール、8インチ・タッチスクリーン、市街地における衝突被害軽減ブレーキ・システム、自動ライト/ワイパー、リア・パーキング・センサー、クルーズ・コントロール、キーレス・スタートなどすべてが標準で組み合わされるのもチタニウム・モデルの大きな特徴のひとつだ。

室内のスペースは大人4名乗車ならば不満はまずないだろう。ただしリア・シートに3人座るとなると、我慢を強いられることが多くなるはずだ。一方スペア・タイヤを載せない状態の荷室容量は490ℓとかなり大きく、家族とそれぞれのラゲッジを積んで旅行に向かったとしても十分な容量だといえる。フォルクスワーゲン・ゴルフやスコダ・オクタヴィアはこれよりさらに大きい容量をもっていることも、比較の参考になるはずだ。

■「買い」か?

フォードはこのクルマでも、実直な操舵フィールと破綻を知らぬ安定感を見事に成し遂げた。ここまでくるともはやクラスのベンチマークだといっても言いすぎではない。

これに加えて、居住性や積載能力といったエステートならではのアビリティも適切に確保されており、ほとんど家族は大いに恩恵を受けることになるだろう。

フォルクスワーゲン・ゴルフ・エステートは(少なくとも1.6ℓディーゼルの)フォーカス・エステートほど洗練されてはいないものの、ゴルフの方がより広く、よりキャビンの質感が高いことは忘れてはならない。CO2排出量も同程度とくれば、軽く見てはいけないことは明らかだ。

また室内のサイズでいうと、スコダ・オクタヴィアは考慮する価値が十分にあるし、動力性能こそフォーカスに劣る一方、実用性はフォーカスよりもはるかに高い。

ただしフォーカスの運転する楽しさこそ、これらライバルの真似できない部分。エステート・クラスのなかで、唯一の威光を放つ存在であることは間違いない。

(ロリー・ホワイト)

フォード・フォーカス・エステート1.5 TDCi

価格	£20,995(392万円)
最高速度	179km/h
0-100km/h加速	12.2秒
燃費	26.3km/ℓ
CO2排出量	98g/km
乾燥重量	1564kg
エンジン	直列4気筒1499ccターボ・ディーゼル
最高出力	120ps/3600rpm
最大トルク	27.5kg-m/1750rpm
ギアボックス	6速マニュアル