ボルボV40クロスカントリーD4

■どんなクルマ?

本質的にはこれまでのV40と同じであるけれど、こちらのモデルが搭載するのは新しく、より経済的な2.0ℓのドライブ-Eディーゼル。最新式のインフォテイメント・システムも代表的な変更点だ。

5気筒から4気筒へとシリンダー数は減っているものの、出力は向上している。最終的には190psと40.8kg-mを発揮、トランスミッションは6速MTかテスト車両のように8速ATを組み合わせる。

どちらのトランスミッションも、もちろん燃費を考慮したラインナップだ。したがって結果的な複合サイクル燃費は23.3km/ℓ、CO2排出量112g/km(MTの場合は驚きの25.0km/ℓと104g/km)をマークする。

ならば社用車として検討中の向きには朗報か?と思いきや、残念ながらそんなことはない。£28,770(517万円)というベース価格はアウディA3スポーツバックやフォルクスワーゲン・ゴルフSVよりもさらに高価だからだ。

しかもオプションがてんこ盛りのテスト車両は£37,295(670万円)にまで膨れあがっており、英国でリース契約した場合には、年間£2,685(48万円)を支払うことになる。

さかのぼること1997年、ボルボはXC70を筆頭にオフロード・ワゴン・ジャンルの覇者として名を馳せていた。そしてその技術を標準モデルにも注ぎ込み、高い走破性を世に知らしめたのだ。

このクルマだって走破性の高さそうなルックスであるから、かなりのポテンシャルを秘めているのだろうと期待していたのだけれど、単刀直入にいうと期待外れだった。

車高は40mm高められているものの駆動方式はFF(4WDはT4とT5のガソリン・エンジンのみ)。変更点といえば、バンパーやシルが黒色のプラスティックになった点とルーフレールが追加されたくらいのものである。

その反面インフォテイメント・システムは、音楽のストリーミング・サービスや駐車場料金の支払い、付近のレストランに関する情報のダウンロードができるようになるなど着実な進歩を遂げている。

また携帯電話がメッセージを受信すれば、その内容を読みあげてくれる機能も備わり、さらにオプション・リストのひとつに素晴らしいハーマン・カードン製プレミアム・オーディオ・システムも加わっている。

■どんな感じ?

エクステリア同様にインテリアもV40と大した違いはないけれど、調整の容易な心地よいシートや独特な風合いの柔らかいダッシュボード、カッパー仕上げのセンター・コンソールなどのおかげで減点対象にはならない。

インフォテイメント・システムが直感的に扱えないのは、配置がお世辞にも親切とはいえない無数に散らばったスイッチが原因だ。ただし心配は無用、練習を積めば後に慣れることができる。

平均よりも体格がよく、閉所恐怖症の向きには後部座席は耐え難いかもしれない。そう感じさせるのは、上から押し込まれたルーフ・ラインが原因で、運転席からの後方視界にも明確に悪影響を及ぼしている。

後席の足元のスペースも残念ながら賞賛レベルに達しておらず、トランクを開けたとしても事態が好転する兆しはまるでない。

テスト車両はスペースを取らない(とボルボは言う)スペア・ホイールを搭載するにもかかわらずその実感はなく、フロア下にもスペースがないというのだから、もはや驚きである。

 
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