VW新型『Tロック』8月発表へ プリウスに似た「フルハイブリッド」システム初採用

公開 : 2025.05.15 07:45

フォルクスワーゲンは第2世代となる新型『Tロック』を8月に発表する予定です。トヨタのTHSのようなフルハイブリッド・パワートレインを量産車として初めて採用し、EVの成長鈍化に対応。南米でも需要を見込みます。

EV低迷に対応 南米でも需要見込む

フォルクスワーゲンは、人気のコンパクトSUV『Tロック(T-Roc)』の第2世代モデルを今年8月に発表する。新開発のフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)・パワートレインを初めて搭載することになる。

次期型Tロックは、ガソリンエンジンと電気モーターの両方で駆動する、トヨタのハイブリッドシステム(THS)と類似した仕組みのパワートレインを採用する予定だ。このパワートレインは今後、ゴルフやティグアンなどにも展開される可能性がある。

フォルクスワーゲンTロックに新たなハイブリッドが導入される。(画像は現行世代)
フォルクスワーゲンTロックに新たなハイブリッドが導入される。(画像は現行世代)    AUTOCAR

フォルクスワーゲンは、このようなシステムを量産車に採用したことはない。欧州で全車EV化に踏み切るまで10年も残されていないが、同ブランドCEOのトーマス・シェーファー氏は、「一部の地域ではHEV(ハイブリッド車)への移行が進んでいるため、現在実験段階にあります」と述べている。

「南米ではHEVドライブトレインの需要があります。Tロックは南米向けに現地で生産されているだけでなく、中国でも生産されており、いずれにしても必要でした」

「興味深いことに、HEVは特に米国でも大きな話題となっています。(HEVは)誰もが不要だと言っていた技術ですが、米国におけるBEVの普及鈍化により、HEVへの流れが強まっているのです」

新開発のパワートレインを次期型Tロックに導入した後、シェーファー氏は「他のモデルでも適しているかどうか検討する」としつつも、「すべてを二重化することはなく、PHEVとHEVのモデルをラインナップする予定です」と述べた。

フォルクスワーゲンの関係者によると、Tロックと同じMQBプラットフォームを採用するすべてのモデルに同ハイブリッドが導入されるわけではないが、今後2年間でゴルフとティグアンに追加される予定だという。

次期型Tロックは、8月に単独イベントで発表された後、翌月のミュンヘン・モーターショーで一般公開される。なお、このモーターショーでは、新型の電動SUV『ID.2X』も登場すると予想されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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