ルノーが「小型オフロード車」初公開 四輪駆動の『4サヴァン4×4コンセプト』市販化なるか

公開 : 2025.05.20 06:45

ルノーは新型のコンセプトカー『4サヴァン4×4』を発表しました。電動クロスオーバーの4をベースにツインモーター仕様とし、ボディクラッディングなどオフロード志向の装備を採用。量産化の可能性も示唆されています。

ツインモーター仕様の小型EV

ルノーは、オフロードをモチーフにした新コンセプトカー『4サヴァン4×4(4 Savane 4×4)』を発表した。クロスオーバーの4(キャトル)に四輪駆動モデルが追加されることを示唆している。

標準の4よりも車高が15mm高く、グリップ力の高いグッドイヤー製タイヤを履いた特注ホイールを採用し、インテリアは「ディープブラウン」のテキスタイル生地で装飾されている。

ルノー4サヴァン4x4コンセプト
ルノー4サヴァン4×4コンセプト    ルノー

また、前後のトレッド幅が広くなり、ブラックのボディクラッディングが採用されるなど、オフロード性能を重視したデザインとなっている。ボディカラーはジェイドグリーンという新色を採用した。

重要なのは、「4×4」の名が示すように、リアに2基目のモーターを追加してフルタイム四輪駆動とした点だ。標準モデルでは前輪駆動のみとなる。

ルノーは技術的な詳細については明らかにしていないが、前輪駆動車は最高出力120psまたは150psのモーターを搭載しているため、ツインモーターの四輪駆動車では300ps程度の出力に達するだろう。

今のところ、4の四輪駆動バージョンの発売計画は正式には発表されていないが、サヴァン・コンセプトではAmprスモール・プラットフォームがツインモーター構成に対応し、「BセグメントのEVで四輪駆動を実現する可能性」を示しているという。

ルノーの広報担当者はAUTOCARに対し、「現在、技術的な実現可能性と財務面での検討を行っています」と述べたが、「四輪駆動車の量産化については、まだ何も確定していません」とした。

このコンセプトカーが発売されれば、四輪駆動EVとしては最も小型の部類だろう。

ツインモーターの4が発表されたことで、兄弟車であるルノー5にも同じ構成が採用される可能性が出てきた。ただし、そのコンパクトなボディとフロアパンに、リアモーターを搭載できるかどうかは不明だ。

1970年代の初代4は、同時代の5よりもタフでアウトドア志向の大衆車として位置づけられていた。その2台の後継車も、同様のコンセプトで開発された。

実際、2022年に初公開された4のコンセプトカー『トロフィー』は、ラリーカーにインスパイアされたものだった。

もし、4や5といった小型車にツインモーター・パワートレインを搭載できるとすれば、5ベースの高性能モデルであるアルピーヌA290にも大きな影響を与えそうだ。理論的には、大幅なパワーアップが見込め、前後のアクスルにトルクベクタリングを駆使することで、敏捷性とレスポンスを向上させることができるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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