充電速度が向上、運転支援も強化 BYDシール マイナーチェンジで内装刷新

公開 : 2024.08.15 06:05

BYDの電動セダン「シール」が中国で大幅改良を受けた。電気アーキテクチャーは800Vに昇圧し、充電速度が向上。LiDARセンサー追加により運転支援システムが強化された。インテリアも刷新されている。

中国で大幅改良、航続距離は短縮へ

BYDシールが本国中国でマイナーチェンジを受け、電気系統の改善と運転支援機能の強化が図られたが、航続距離は短縮された。

主な変更点は、従来の400Vの電気アーキテクチャーから800Vに移行したことだ。これにより、バッテリーの10~80%の充電時間は現在の37分から25分に短縮された。最大充電速度も現在の上限150kWから引き上げられたようだが、詳細はまだ明かされていない。

BYDシール(改良新型)
BYDシール(改良新型)    BYD

地元メディアの報道によると、電気アーキテクチャーが改良されたことで、乗り心地と車体制御を向上させるアダプティブダンパーも強化されたという。

また、ルーフにLiDARセンサーを追加し、先進運転支援システム(ADAS)をアップグレードした。BYDは、特にアダプティブ・クルーズ・コントロールと自動駐車システムの改善を強調している。

バッテリーは61.44kWhと80.64kWhの2種類で、従来型に搭載されている82.56kWhよりは少ない。そのため、航続距離(中国CLTCサイクル)は700kmから650kmへと9%短縮された。

欧州WLTPサイクルに換算すると、現行型の570kmから515km程度になる可能性がある。BYDは、バッテリーを小型化した理由をまだ明らかにしていない。

パワートレインに変更はなく、最高出力312psのシングルモーター仕様か、合計出力530psのツインモーター仕様が用意される。

インテリアでは、フラットボトムの新しいステアリングホイールを採用した。センターコンソールのピアノブラック仕上げはマットグレーの樹脂に変更され、ダッシュボードにはフラットパネルが採用され、エアコンの吹き出し口も目立たなくなった。

改良新型シールはすでに中国で販売開始されているが、他の市場への導入時期は未定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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