ポルシェ911 GT3、ターボ化も電動化もしたくないが「あと2年」で限界に… 開発者の苦悩

公開 : 2024.11.01 06:05

Q&A – ポルシェGT部門責任者、アンドレアス・プレウニンガー氏

――改良型911 GT3の最高出力は以前と変わりません。510psを維持することも難しかったのでしょうか?

「新型車はユーロ6 “AP” に準拠しており、窒素酸化物を3分の1、粒子状物質の排出を40%削減しています。9000rpmで(同じ)パワーを維持すること、ターボチャージャーや電動化を避けること、これが最大の課題でした。なぜなら、それがお客様の望むものではないことはわかっているからです。また、ターボチャージャーや電動化は車体後部に重量を加えてしまいます」

ポルシェのGT部門責任者、アンドレアス・プレウニンガー氏
ポルシェのGT部門責任者、アンドレアス・プレウニンガー氏

「そのため、クルマを重くして純粋さを損なうのではなく、ファイナルドライブ比を下げて、もう少し生き生きとしたクルマにしたいと考えました」

――GT2モデルを復活させる予定は? ノルドシュライフェでプロトタイプと思われる車両を見たことがあります。

「あれはあくまでもコンセプトカーであって、発売間近のニューモデルではありません。わたしの内なる願いはGT2 RSを作ることですが、今後数か月以内に実現することはないでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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