【タイヤ解析の達人がマレーシアで吟味】第5世代P ZEROが登場!ウルトラハイパフォーマンスカーがピレリを選ぶ理由とは?

公開 : 2025.10.27 11:45

ピレリは今年3月に第5世代の『P ZERO』(PZ5)を発売し、この度アジア・パシフィック向け試乗会をマレーシアで開催しました。参加したのはタイヤ解析の達人として知られる斎藤聡。P ZEROファミリーをじっくりと吟味します。

OEM装着に開発に大きく舵を切った

いま、世界のウルトラハイパフォーマンスカー及びプレミアムカーセグメント用の『ウルトラハイパフォーマンスタイヤ』(UHP)で、『ピレリP ZERO』が存在感を放っている。

ピレリは2016年に第4世代の『P ZERO』(PZ4)を発売した。このタイヤの戦略はとてもユニークだった。OEM、つまりメーカー純正装着に力を入れた開発に大きく舵を切ったのだ。

ピレリは第5世代『P ZERO』のアジア・パシフィック向け試乗会をマレーシアで開催。
ピレリは第5世代『P ZERO』のアジア・パシフィック向け試乗会をマレーシアで開催。    ピレリ

おりしも欧州ではハイパワー競争の真っただ中。ハイパワーを路面に伝えるためのタイヤには、さらなる高性能が求められていた。

ピレリはそれに応えるように、各メーカーのモデルごとにカスタムメイドを実施。コンパウンドはもとより、ビードフィラーの高さ、ビードワイヤーの太さまで数種類を用意し、それぞれのクルマの操縦性や特性に合わせたカスタムメイドを行うことで、クルマとタイヤのよりベストなマッチングを図ったのだ。

これによりメーカーとユーザーの両方から高い評価を得て、シェアアップとブランドプレゼンスを高めることに成功した。

今、ハイパフォーマンスカーやスーパースポーツカーにピレリP ZEROが多く標準装着されている背景には、そんな経緯がある。

プレステージセグメントのUHP

ピレリは今年3月に第5世代の『P ZERO』(PZ5)、通称『P ZERO5』を発売し、この度アジア・パシフィック向け試乗会をマレーシアで開催した。

正確にはP ZERO5だけでなく、先代P ZERO(PZ4)以降に発売となった、レーシングスポーツセグメントの『P ZEROトロフェオRS』、スーパースポーツセグメントの『P ZERO R』、EVセグメントの『P ZEROE』にも、同乗及び試乗することができた。

通称P ZERO5は最新第5世代のP ZEROで、シリーズの中核となるモデルだ。
通称P ZERO5は最新第5世代のP ZEROで、シリーズの中核となるモデルだ。    ピレリ

まずは主題となるP ZERO5から。

P ZERO5は最新第5世代のP ZEROで、シリーズの中核となるモデルであり、位置づけとしてはプレステージセグメントのUHPとなる。

テクノロジーの面では、AIとピレリが設計したアルゴリズムを駆使することにより、タイヤのダイナミクス性能を大きく進化させている。ドライ、ウエット路面でのハンドリング向上および制動距離の短縮を実現。ちなみにリプレース(市販)サイズは、ウエットブレーキ性能で、欧州タイヤラベリング最高位のAを獲得している。

また、タイヤの開発に際しては、構造とトレッドデザインに重点を置き、コーナリング性能を強化。主溝の側面形状を斜めにして、リブ(≒ブロック)横剛性を高めたデザインとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。

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