電気自動車の「民主化」へ貢献? リープモーターT03へ試乗 背後にステランティスあり

公開 : 2025.01.17 19:05

発進は活発 高速道路での追い越しも可能

デフォルトのドライブモードは、スタンダード。活発に発進し、試乗したイタリアの急勾配でもスルスルと登ってみせた。最高速度は130km/h。イタリアの高速道路、3車線のアウトストラーダで追い越しをかけることも可能だった。

スポーツ・モードへ切り替えると、パワーの立ち上がりが鋭くなる。実際は、細いタイヤのスキール音を立てる頻度を増やすだけだが。

リープモーターT03(欧州仕様)
リープモーターT03(欧州仕様)

T03の売り文句として、リープモーターは「機敏」や「スポーティ」といった表現を用いている。だが、これには疑問が残る。

確かに、イタリアの狭い旧市街地を軽快に巡れるものの、ヘアピンカーブを颯爽と駆け抜けられるわけではない。アンダーステアでガードレールを突き破らないよう、速度に注意して侵入したいところだ。

ステアリングホイールの感触は、3段階から選べる。コンフォート・モードは、信じられないくらい軽い。スタンダード・モードとスポーツ・モード時は、少し手応えが増すものの、それでも軽いと感じた。

乗り心地は、不思議なほどしなやか。柔らかすぎず硬すぎず、傷んだアスファルトの上を印象的な滑らかさで進む。ただし、平滑な高速道路では若干の浮遊感を伴った。

同クラスの中で優れていると表現できる

ステランティス・グループが背後にあるだけあって、旧来的な技術のままの、価格重視のマイクロカーとは異なるT03。リープモーターを、過度に怪しむ必要はないだろう。

そもそも、多くの中国メーカーのバッテリーEVは、欧州ブランドのライバルへ大きく劣るわけではない。本当に手軽な価格の小さな電気自動車だと捉えれば、T03は同クラスの中で優れていると表現しても良いだろう。

リープモーターT03(欧州仕様)
リープモーターT03(欧州仕様)

見た目は冴えないかもしれないが、動的な基本性能は低くない。電気自動車の民主化を、推し進める1台になる可能性はある。

◯:短いホイールベースで動きが機敏 大人が快適に過ごせる車内空間 市街地だけでなく高速道路でも充分な動力性能
△:タッチモニターに操作が集約された車載機能 運転支援システムをオフにするのが面倒 高速域でやや不安定な乗り心地

リープモーターT03(欧州仕様)のスペック

英国価格:1万5995ポンド(約312万円)
全長:3620mm
全幅:1577mm
全高:1652mm
最高速度:130km/h
0-100km/h加速:12.7秒
航続距離:265km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1175kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:37.3kWh
急速充電能力:45kW
最高出力:95ps
最大トルク:16.1kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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